多摩地区公立小・中学校図書館職員の会ニュース
 
 2003年 春(第10号)
 
           私の「読み聞かせ」

                        日本子どもの本研究会・会長
                           鈴木 喜代春
 
 私は敗戦の1945年9月に師範学校を卒業して、国民学校の教師になり、教科書に墨をぬらせることから活動がはじまった。
 1946年に「赤とんぼ」「子どもの広場」「銀河」などの雑誌が発行された。1949年には「柿の木のある家」も出版された。
 私は、さっそく「教室文庫」をつくった。その頃、私は生活綴方の伝統をうけついで作文教育をすすめていた。私の発行していた「学級文集」が「みつばちの)子」だったから学級文庫を「みつばち文庫」とした。
 1952年に「原爆の子」(長田新編・岩波書店)が出版されたので、この本も文庫に入れた。それまで私は、子どもの生活を物語に書いて「学級文集・みつばちの子」に連載して、それを「読み聞かせ」ていたのだ。が、「きょうは、この本を読むよ。」といって、私は原爆の子」を読んでやった、そして思ったこと、感じたことを短い文章に書かせた。全員が書いた。それを「学級文集・みつばちの子」にのせた。
 そのなかに次のような詩もあった。

  ピカドン     4年  女子

ビカドン
たいしょうの ところさ
おちれば よいのに
ひろしまさ おちで
ばかくさい

 この詩が、県教組編集の「夏休み学習帳」に掲載された。すると、こわいことになった。偏向教育だ」と、新聞が書きたてたのだ。私は、殺されるかもしれないと、ふるえた。
 ちょうど朝鮮戦争がはじまり、警察予備隊ができたときだ。私は1954年3月、この子たちを卒業させて、青森県をはなれた。
 私の「読み聞かせ」は、喜びもふきとんで、悲しみと怒りではじまることになったのだ。そしてこの悲しみと怒りは、いまでも消えていない。


多摩地区公立小・中学校図書館職員の話その9

           三鷹市の学校図書館

                         三鷹市立第六中学校 図書館司書 藤井由美子

三鷹市の学校図書館の現状
 三鷹市は平成7年度より、学校図書館への司書(非常勤、有資格者)の配置が始まりました。そして今年度、平成14年をもって、小中あわせて全22校への配置が終了しました。

 司書が配置された学校は以下の3点の整備が行われました。
1空き教室などを使い、新しい図書館を作る(従来の図書室を改装した学校もあります)
2特別予算が組まれ、年度の予算以外に多くの本を購入。図書備品も同時に購入
3蔵書管理がコンピューター化され、バーコードによる図書管理

 また、来年度からは全校で土曜日に図書館を開放する「学校開放」が行われることになっています。現在すでに始まっている学校もあります。開放による利用対象は、各校の判断に任されていますが、主に在校生とその家族が対象となっています。
 司書の勤務時間は1日5時間。土曜日は4時間の勤務となっているので、週29時間勤務です。
〜六中図書館〜
 六中は、平成12年度に司書が配置されました。改装工事の際、他の多くの図書館は絨毯敷きになったのですが、なぜか六中は半分絨毯、半分床という図書館です。定かではありませんが、三鷹市内では一番広い学校図書館と言われています。

学校図書館司書として働いて
〜研修〜
 今年度、初めて司書全員を集めての研修がありました。その研修で強調されたのは、「学校の中の図書館」ということでした。図書館の業務というのはどの図書館もあまり違いはありません。けれど、学校の状況は各校全く異なります。各司書は自分が属する学校の様子、状況をしっかりと見極め、判断をして欲しいとの事でした。なかなか高度なことが要求されていると感じました。

〜教員教育〜
 学校の先生方は司書を『本を管理する人』『本が好きな人』と考えがちです。司書に本好きが多いのはあたりまえとして、私たちの仕事は『本を貸し出す(紹介する)為に管理している』このことを先生方にまず知ってもらうことが大切でしょう。手がかりとして、先生方へのレファレンスを積極的に行っています。

〜仕事に対するポリシー〜
 中学生と言う精神的に不安定な時期の生徒達に添える(支えるとはちょっと違います)司書を目指しています。悩みを抱えた生徒にそっと本を渡すこと毛ありますが、話を聞くと、それで落ち着く子も多いです。親にすべて話す年齢を少し超え、担任など先生方は忙しくあまり時間を取ってもらえない。幸い三鷹市では、毎日出勤して仕事をしているので、生徒たちと交流する機会が多くあります。司書の私に話をしても一切解決にはなっていませんが、生徒たちにとって、何かしらの意味があると信じています。(その分、他の業務がえらく忙しいです…)

〜第二の保健室〜
 学校図書館司書は人(生徒、児童)が好きな人でないと勤まらない職業です。子ど毛達にとって学校にいる大人はすべて興味の対象です。本を借りない子も司書と話したり、遊んだりするために図書館に来るからです。そんな子達をみて、ある先生は『図書館は第二の保健室だね』と言ってくださいました。最大の賛辞でした。

〜ブックトーク〜
 1年生の国語の先生より依頼があり、1年生に『奴隷制度』についてのブックトークを行いました。短いブックトークは以前にも行いましたが、授業時間を丸々使ってのブックトークは初めてでした。
 奴隷狩りの話から逃亡奴隷の話、南北戦争まで。北朝鮮の拉致問題、このような拉致は人間の歴史には珍しくないこと、人種差別のおろかさ、といった事を伝えたいと考え行いました。
 生徒の感想文に「相手の立場を想像することが、白人達にはなぜできなかったのか。」とありました。本を読みながら主人公になりきることがよくあります。これは日々の生活の中で経験できない『相手』の立場にたつ、相手のことを想像する行為と言えるでしょう。読書は、他人を思いやるごくあたりまえの心も育ててくれるのだと、生徒の感想から考え、学びました。

集会情報

まなび探偵団アニマシオンクラブ月例会・公開講座(代表:岩辺泰史)
沖縄と児童文学
 真鍋和子
日時:3月8日(土)  10時から12時30分
場所:豊島区立大塚台小学校(担当 井上桂子)
    JR山手線大塚より都電「向原」下車徒歩3分
参加費:500円
問い合わせ・中込み:〒422-8033 静岡市登呂6-6-30-5
 笠井英彦   e-mail:hide-kasai@h9.dion.ne.jp

日本子どもの本研究会・子どもの本の学校
読書の自由と児童出版の自由 鈴木暮代春

日時:3月8日(土) 2時から4時
場所:多摩市立関戸図書館集会室
 (京王線聖蹟桜ヶ丘駅前あさひ銀行隣ザ・スクエアー 2階)
参加費 1,000円(修了生・会員・多摩市民は500円)
申込み:日本子どもの本研究会内「多摩校運営委員会」
 〒176-0012 練馬区豊玉北4-4-18-105
 電話 03-3994-3961

鈴木喜代春著書・紹介
『モンゴルに米ができた日』
 金の星社 \1,300.
『白神山地』
 くもん出版 \1,300.
『十三湖のぱぼ』
借成社 \1,400.
『一年生、女と男のやくそくよ!』 教育画劇  ¥1,200・
『7伊能忠敬』 岩崎書店 \560
『いじめられっ子探偵団』 大日本図書 ¥1,238

その他、多数あります。
発行人:川真田恭子  メール:Kykwmt@aol.com 
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