多摩地区公立小・中学校図書館職員の会ニュース
 
 2004年 冬(第15号)
 
           学校図書館の可能性に魅せられて
                          元中学校 社会科教諭
                                村上太郎
 2003年3月31日をもつて、22年間にわたる中学校生活にピリオドを打った。定年まではあと15年、勧奨退職まで(恩給資格も?)あと5年、どうして?という管理織や同僚の声もあったが、意外と頑固者の私はもはや聞く耳は持たずの状況にあった。新指導要領の完全実施によるさまざまな葛藤、不透明な教科内容や学カ観・管理強化、驚異的な仕事量の増加、自分のしたい教育活動への時間的制約、時代の要請など、いろいろな通達や制度改定が行われるたぴに、「辞め時だ」とつぶやくことが増えていった。
 とはいうものの、まだこの歳で隠居するわけにもいかない。自分の教育観を表現できるものを考えた時、学校図書館司書という目標にたどり着いた。22年間の教員生活で、図書館に司書が存在したのは5年前から3年間勤務した1校のみであった。自分が小中学生の時の記憶は薄いが、少なくとも司書の先生と関わった記憶はない。そんな私にとって、司書がいる学校図書館の価値を改めて認識することができた3年間だった。異動して1年の担任となった4月、すぐ行われた司書による利用指導は、長年の新入生オリエンテーション期間で初めての経験だった。(それまではやったとしても、生徒手帳に書いてあるルールの説明を担任がするだけだった)排架、分類記号、貸出方法、自由読書と進む中で、図書館のスペシャリストの存在を認識することができた。以前から関心があったので、放送大学で司書教諭の講習を修了したのもちょうどその年であった。教科(杜会科)の内容が変化していくなかで、いわゆる調べ学習も授業中に行うようになり、なるべく生徒自身で学んでいく形態をとることを意識して、図書館を利用することもあった。さらに「総合的な学習の時間」も実施されるようになる。学技図書館司書配置や司書数諭必置などのニュースを耳にする機会も増えていった。図書館にひかれるものは大きかったが、進路指導や学年経営の仕事をあてがわれることが多く、分掌で図書館を担当することは一度も叶わなかった。そんな中での、教育環境の変化であった。歳も歳だが、タイミング的にも今を逃すと、何も叶わぬまま月日だけが経過していってしまうと考えたのであった。教員をしながらの司書の資格取得が難しいということも退職のひきがねであった。
 目標に向けて、亜細亜大学での司書講習を受けることに。あとで3倍以上の倍率だったと聞き冷や汗をかいたが、7月下旬からの2ヶ月にわたるハードな講習は、23年ぶりの試験やレポートに四苦八苦しながらも、なんとか修了し。資格を取得することができた。図書館についての学びは、未知なことが多かった私には本当に学ぶ楽しさを再確認することができた。読書の場だけでなく、情報拠点としての図書館の役割、ライブラリアンとしてのささまざまなレファレンスサービスの魅力など、教員時代の調ぺ学習像とは明らかにスケールの違う壮大な図書館の可能性に改めて魅せられることとなった。
 講習も終わり、図書館界にちょっぴり足を踏み出し始め、研究会等に参加する機会もいただくようになった。絵本や読み聞かせをはじめ、実務などスキルアップすることが今の一番の課題である。なかなか巌しい配置状況があるが、教員であったことを活かし、教員を図書館と繋ぐ司書として活動できれぱと思う。それが自己実現だけでなく、何より学校図書館を利用する主人公である児童生徒の成長の一助となることを確信して。

               三鷹市の学校図書館司書の六年
                                  三鷹市立第五小学校 笠嶋庸子

 三鷹市教育委員会の嘱託として平成10年4月から五小で働き始めて6年目になりました。今年の卒業生が1年生の時からですので、本当に一区切りという気持ちです。
 ここで過去を振り返ることにより、これからの更なる展望が開けることを願い、6年間のことをまとめてみました。

 
三鷹市の現状
 三鷹市の“学校図書館”事情は全国でも恵まれているほうだと思います。
 学校整備事業の一環として、平成7年から学校図書館の施設整備の充実と専任司書の配置が始まり、平成14年度に完了しています。
 平成10年度からの3年間は文部省の[学校図書館情報化・活性化推進モデル地域]にも指定されました。五小における設傭整備の内容は、校舎2階の2教室+廊下の広さに、OA対応の床面、冷暖房の空調整備、コンピュータ5台が置かれ、本の購入に特別予算が300万円つきました。
 市内全22校(小学校15、中学校7)に配置された専任の司書は、市報「みたか」による公募で、司書資格をもつことが条件で採用されます。
 勤務内容;<月曜日〜金曜日>1日5時間 9時から3時(昼休み1時間)時間は学校により決まる<土曜日>(地域開放)4時間 8時半から12時半(開館は9時から12時)
 条件;時給 1,290円 交通費・有給休暇有り(1年ごと;更新)
 三鷹市には1965年頃から“学校図書館をよくしよう”“学校図書館に専任の司書を”という地元の運動があり、今も地域渚動として続いています。この運動が、市議会に働きかけこのような現状が生まれたのです。司書にとってはとても力強い存在です。学校図書館の多くは一校に一人の司書配属です。資格は持っていても、実務の経験がないひとのために、〈基本マニュアルの作成><集団研修>が必須と思います。
 
 
五小での現状
 「いつでも開いていて、司書のいる図書館」が学校生活の中で、当たり前の存在になっ
ています。
 平成10年度に配属され、翌年2月の開館までは古い図書室で「図書の時間」を行い、また休み時間には、先生や子供たちに接し、初めての小学校での司書生活を体感しました。
 一番神経をつかったのは特別予算300万円と年間予算で購入する本の選書で先生方に同じ種類のカタログを見ていただき、選書の基本にしました。
 備品には、小学校図書館をを意識して、カラフルなものを注文しました。新図書館の設計にはすべてではありませんが、カウンターの形や書架の高さなど、参画していたこともあり、開館は私にとっても本当に待ち遠いしものでした。
 6年目になると、500人弱の子供たちの、顔と名前が、ほとんど一致してくるので、一人一人の要望に、細やかな配慮ができてきていると思います。
 蔵書に関しても、「分類」ごとのバランスや、背文字やパソコン検索では探すことのできない内容にまで、対応出来ることが多くなりました。学校の雰囲気にも慣れ、先生方とのコミュニケーションも年々深まっている気がします。
 1年生〜4年生は、週一回の図書館優先使用枠を使って図書館を利用しています、始めの15分間に司書による“誘み闘かせ”を行っています。季節を感じさせるもの、授業に関するものなど担任と相談しながら進めています。
 5年生6年生は、必要に応じて図書館を利用しています。資料の検索など要望があれば対応します。(当初は何でも提供しすぎたという反省もあります)
 図書委員会活動も担当の先生と一緒に関わっています。

 
大切な連携プレイ
 司書は図書館で先生やPTAとのパイプ役になっています。
先生:授業をサポートできる案内役として教育を担う先生との連携は何より大切なこと
PTA:毎週水曜日に図書館でおはなし会をしています。
地域:土曜日開放により地域との関わりを進めることが、長い目で見ると生涯学習に発達する。
井の頭コミュニティーセンター:おたよりやポスターの交換で子供たちの情報を共有し選書などに生かすこと
他の図書館:インターネットで繋がっているので所蔵・貸し出し状況・開館状況を利用して資料・本の提供(9月から物流システムが始まった)
司書教諭:今年発令されたばかりですが、職員会議で図書館のことを伝えていただくなど、これからの楽しみな課題です。

集会情報
韓国の先生方と「子ども理解を深める学級経営・授業改革」について学びあいましょう!
日時 2004年1月30日(金) 午後6時から9時
会場 豊島区立豊島区民センター(JR池袋駅東口から徒歩5分)
参加費 1,000円
主催 まなび探偵団アニマシオンクラブ(代表:岩辺泰吏) 学ぴをつくる会(代表:菊池良輔) 韓国初等学級経営研究会(会長:イ・スンウオン校長先生)
参加申込み 事前に名前を知らせてください。
事務局:笠井英彦
静岡市登呂6丁目6-30-5 ファックス:054-281-1706
hidehikok@yahoo.co.jp

特別展 はらっぱ 冬はたてもの園のはらっぽで遊ぼう 土管もまっているよ!
月日 2004年1月6日(火)から3月14日(日)
場所 江戸東京たてもの園
開園時間 9時30分〜16時30分(入園は16時まで) 月曜休館
入園料 一般4OO円 中学・高校200円 大学320円 65歳以上の方200円
〒184-0005 東京都小金井市桜町3-7−1(都立小金井公園内)
:042-388-3300 ファックス:042-388-1711
http://www4.ocn.ne.jp/~tatemono/

子どもに豊かな育ちと読書の喜びを 学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどい・東京
日時 2004年2月14日(土) 10時30分〜16時30分
会場 エデュカス東京 (全国教育文化会館 7階ホール)
基調報告 広瀬恒子氏 (親子読書・地域文庫連絡会)
特別報告と交流
資料代として500円
連絡先:全教 п@03-5211-0123

大村はま講演会 本との出会い 人生との出会い
日時 2004年5月1日(土) 午後1時30分〜4時
会場 福島県文化センター 小ホール
主催:読書コミュニティネットワーク 参加費 中学/高校500円 大人1,500円
問い合わせ:&ファックス 024-945-5473 午後7時以降 庄司一幸

発行人:川真田恭子  メール:Kykwmt@aol.com 

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