多摩地区公立小・中学校図書館職員の会ニュース
 
  2001年 冬(6号)
 
   アニマシオン…ずっと君たちといっしょだよ!というメッセージ
           
               まなび探偵団アニマシオンクラブ代表
                岩辺 泰吏(葛飾区立飯塚小学校)
 
 「アニマ」は魂。「アニマシオン」はその魂に息を吹き込むこと…、いつもそんな風に説明して、ワークショップを開いていました。教科書教材の『忘れられないおくりもの』『ごんぎつね』『大砲の中のアヒル』『アナトール 工場へ行く』などもおもしろかったのですが、やはり、一冊もので『エルマーの冒険』『セロひきのゴーシュ』『たんていかぎだぬき』などが盛り上がりました。ストーリーに起伏がある。登場人物が多様。書き込まれているテーマ、人物の成長や変化に納得できる。それに、はらはらドキドキ…、先が読みたくなる。『エルマー』では、次も次も…と、『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』まで読み進み、学芸会でオリジナルの劇までやってしまいました。物語に共感し、仲間で物語を共有する。アニマシオンは、特別な方法ではなく、この世の中に生き生きと向き合い続けようとする「知的好奇心」「人間的共感」を育てていくすべての試みを言うのだと思っています。つまり、日本語で言えば「こどもごころ」を持ち続けるひとであることでしょう。子どもを大人(教師など指導者)の側に引き寄せる(わからせる)ための技術ではなく、私たちが子どもと共にあろうとする、「いつも君たち(きみ)といっしょだよ」というメセージのあらわし方だと、おもいます。子どもと読むと、何度も読んだ本が、また新しい発見に満ちてくるんですね。だから、探偵団なんです。
 11月には、「国際理解」(世界を広げる)のアニマシオン、2月は一人の作家(こやま峰子さんを予定)を丸ごとアニマシオンという試みをします。一度、のぞいてください。
 
 
  岩辺泰吏著・本の紹介
        
         『ぼくらは物語探偵団』 まなび・わくわく・アニマシオン
            岩辺泰吏(編著) 柏書房
         『子どもたちに詩をいっぱい』(旬報社)
         『だいすき国語』(大月書店)
  

 
多摩地区 学校図書館職員の話 その5
 
 
狛江市立狛江第三中学校図書館司書 岡田貴子
 
★本が好き・子どもが好き・図書館が好き…
 私が図書館の仕事をしたいと思ったのは、大学4年生の時、岩波新書の『子どもの図書館』(石井桃子著)という本に出会ったのがきっかけです。この本のまえがきには「子どもが、本(文字)の世界にはいって得る利益は、大きく分けて二つあると思います。一つは、そこから得た物の考え方によって、将来、複雑な社会でりっぱに生きてゆかれるようになること、それからもう一つは、育ってゆくそれぞれの段階で、心の中でたのしい世界を経験しながら大きくなってゆかれることです。」と、書かれていました。それを読んでいるうちに、自分が子どもの頃、どんなに本が好きだったか、不思議な冒険や様々な物語がどんなに楽しかったか、をありありと思い出しました。大人になってからも、色々と悩みながら進む方向を模索していたときに、本は大いに出会えたのは“子供たちによい本を”と願い活動していた人達がいたからだったのだ、ということを知りました。その時から、「本と子どもにかかわる仕事をしたい」と、司書や図書館、本についての勉強をしてきましたが、縁あって、現在の学校で司書として働くことができるようになりました。
 
★狛江の学校図書館
 狛江市は、新宿から小田急線で西に20分のところに位置しています。人口7万5000人、面積は6.39平方キロメートルと全国で三番目に小さな市です。多摩川と野川に南北を囲まれています。
 小学校7校(昨年度まで8校。今年度統廃合され、7校になりました)・中学校4校に1998年度より3年計画で司書が配置され、昨年度全校配置となりました。職名は学校図書館事務臨時職員。応募条件は司書あるいは司書教諭の資格で学校図書館についての作文も必要でした。勤務時間は1日4時間(小学校8:30〜12:30中学校12:30〜16:30)、週4日(月・火・木・金)です。どの学校の司書も大変熱心で、たまにお会いすると圧倒(?)されるほどです。
 
★三中図書館の様子
 98年9月より狛江三中に勤務し、3年が過ぎました。狛江三中は1・2年生3クラス、3年生2クラス、全8クラスの小規模校で、全校生徒268人です。午後からの勤務などで、開館は昼休み、午後の10分休み、放課後です。図書館は3階、東階段を上がってすぐのところにあります。特に昼休みは、フロアが同じ3階の2年生を中心に、50人ほどの生徒でにぎわいます。冷暖房がきいていて、南向きで明るいこと、また長椅子などもあるため、くつろげるスペースとして定着してきているようです。本やマンガを読んだり、「ウォリーを探せ」や心理テストの本、「クイズ赤っ恥青っ恥」等を見ながら友達と話をしている子もいます。色々なコーナーや展示してある本を見て、普段あまり本を借りない生徒からも、面白かった本をすすめあっている姿も見られます。教職員への貸出や先生方からの質問なども増えてきたように感じます。
 国語科でも読書に関心を持たせるような取り組みをしてくださっています。この秋の読書週間に1・2年生国語授業のはじめの数分で子供たちが「おすすめの本の紹介」をしていました。1年生の授業参観の時に見学させていただきましたが、おすすめカードを書き、紹介したい本を見せながらおもしろいところやすすめたい理由などを上手に話していて、感心しました。先生から、「紹介する本のことで生徒が図書室に行ったらよろしくお願いします」と声をかけていただき、何人も本を探したり借りに来ました。昨年度は2年・国語の授業で生徒が「ミニブックトーク」(グループでテーマを決めて数冊の本を紹介)をしましたがこれも素晴らしかったです。この時も何人生徒が、「国語で紹介するから」と本を探しに来ました。1年・3年は、朝読書をしています。学年だよりで先生のおすすめの本が紹介されることもあります。
 本の貸出は、昨年までは一日10冊平均くらいでしたが、今年度は20冊平均くらいに増えています。小学校でも読書に親しんできており、中学でも本の読む雰囲気がでてきたからではないかと思っています。実際、これまではあまり多くなかった1年生の貸出が今年は大変のびています。特に男子(!)がたくさん借りています。また、分厚く読み応えのあるような本、児童書ではない、一般向けの本(十二番目の天使・白い犬とワルツを…e.t.c)等もどんどん借りられたり、予約されるようになってきました。今年の1年生は(全部ではありませんが)小学4年生の時から司書のいる学校図書館を利用していたことになります。子どもの読書には読書環境がどんなに重要かということを、あらためて非常に強く感じています。
 授業では、修学旅行・移動教室・職業体験の事前学習等を中心に利用されてきました。今年度は、1年生は年度始めにオリエンテーション(図書室の利用方法の説明)を行うことができました。2学期には総合の調べ学習が始まりました。体育祭や合唱コンクールのポスターやパネルの絵、文集の表紙や委員会活動のおたよりを描くときにも利用されます。ちょっとしたわからないことがあるときにも、気軽に聞きに来てくれるようになりました。最近聞かれたのは「ヤードとマイルってどのくらい?」「炭疽菌って?」等。「“やおい”って何?」と聞かれ、現代用語の基礎知識にのっている説明を見せたら、尊敬(?)されてしまったこともありました。
 
★うれしかったこと
 夏休みに、卒業生の高一の女の子が友達と一緒に図書室に来ました。「高校の図書館より中学の方がよかった」「また何か借りたいな〜」と言われ、つい「ちゃんと返せるならいいよ」。すると、「何かおすすめして」…。かわいい〜!!
 図書室でよく姿は見ましたが、それほど本を借りたり、あまり話をしたことのない生徒だったので、そんな風に思っていたのか〜と、とてもうれしくなりました。彼女はその後、もう一度来て本を返し、またおすすめの本の借りていきました。
 

 
情      報
 
 
 「読書コミュニティネットワークの実行委員の募集!!」
                  実行委員長 川真田 恭子
 
 「読書コミュニティネットワーク」とは、福島県立あさか開成高等学校の社会科教師・庄司一幸が、前任校の福祉か県立石川高等学校で図書主任となり、「朝の読書」に出会い、学校改革の切り札として「朝の読書」を導入し、学校図書館を拠点に推進し、さらに「朝の読書」を地域活動として発展させるために、高校生による読み聞かせ活動をスタートさせました。このことがきっかけとなり、読書活動に深く関わることになり、学校図書館と公共図書館の連携や地域の読書環境を豊かにする活動をしている会です。会の助言指導者は常世田良氏(浦安市立図書館長)です。
 2002年8月19日(月)、20日(火)に、国立オリンピック記念青少年総合センターで、本会主催で「第5回読書コミュニティーフォーラム全国大会」を開催いたします。講演は河合隼雄氏です。
 分科会で、学校図書館・公共図書館の連携、そして地域の読書環境を豊かにする分科会をします。その実行委員を募集しています。
  連絡先:メールアドレス Kykwmt@aol.com
      電話:042−576−3688(11:30〜4:30)
      川真田 恭子
 
 
アニマシオン公開研究会
 
 
 
 名称:第6回アニマシオン公開研究会「こやま峰子さんまるごとアニマシオン」
 日時:2002年2月9日(土)
     午前10時〜11時 公開授業(2,3教室)
     午前11時〜12時 ワークショップ(3講座)
     午後1時〜3時   全国大会 
                子どもたちによるこやまさんの詩のパフォーマンス
                こやま峰子さんのお話と交流
 参加費:2,500円
 会場:葛飾区立飯塚小学校 03−3607−4400(連絡窓口・岩辺)
 問い合わせ・申込み:笠井英彦 FAX 054−281−1705                          e-mail:hide-kasai@h9.dion.ne.jp
 
 ご意見・ご感想がありましたらお寄せください。
 発行人:川真田 恭子 国立市立国立第三中学校
     п彦AX 042−576−3638(11:30〜4:30)
     e-mail Kykwmt@aol.com