多摩地区公立小・中学校図書館職員の会ニュース
 
 2002年 春(7号)
 
 
学校図言館を考える全国連絡会代表
高橋 由起子
 
 この原稿を依頼されたのは、アフガニスタンで長い間医療活動に携わってきた目本人医師・中村哲氏の講演会から帰宅した直後だった。圧倒的優位で「タリパン=悪」の図式が語られるなか、アメリカによる空爆やテロ特措法の可決など世の中の動きは驚くほど素早かった。「いま本当に起こっていること」を把握できないまま、事態が進行していく焦燥患を抱きながら、アフガニスタンの姿を少しでも知りたいとの思いで参加した講演会で、タリバンの知られざる一面や「世界に見捨てられた国」と言われたアフガニスタンの現状を初めて知った。また中村氏は、「あれほど貧しい生活の中でも、アフガニスタンの子どもたちの眼は輝いている。しかし、住む家や食べ物の心配もない日本の子ども(大人も含めて)の目ばどうして暗いのか」と日本に帰国した感想を述べた。豊かさの意味を、いま一度問い直さなけれぱならないと思う。
 高度情報化社会といわれる現代において、マスメディアやインターネットなどを通して、私たちはあらゆる情報を手に入れられるようになった。しかし行政の広報やレジャー・ショッピングの情報など、いつでもどこでも簡単にアクセスできる便利さを享受する反面、あふれる情報の中でなにが真実かを見極めることがいかに困難であるかということを、今回の一連の報道の中で痛感している。また情報格差とば、情報の受信能カの格差だけではなく、発信能カの格差であるという当り前のことに気づき、改めて愕然となった。アメリカが自分たちの正当性を訴える発信能力を十二分に発揮して優位にたつ一方、アフガニスタンの人ぴとは、飲む水や食べ物さえない現状を訴える術さえ持っていないのだ。
 昨年、「戦争の世妃」と言われた20世紀の反省をもとに私たちは、「21世紀を平和の世紀に」と誓い、ミレニアムを祝ったはずだった。その年に私たちは、平和の実現に対する姿勢と覚悟を試された。この世紀を、これから私たちはどう生きていくのか。武カによる対立ではなく、あらゆる対語が不可欠となるであろうこれからの世界でもっとも必要なカは「想像力」である。そのために私たちは、単なる記号や知識としての言葉ではなく、心の中から沸き起こる喜びや悲しみという感情をともなった、肉体としての「ことば」を獲得しなけれぱならない。
 これからの子どもたちが、そのような「ことば」の多くを獲得する場として、私は学校図書館に期待したい。

 
 
多摩地区 学校図書館職員の話 その6
 
 
 
ハイテク時代の司書の役割とは?
 
多摩市立東愛宕小学校 司書 桑原ちさと
 
1.はじめに
 
 今年度、我が校は、多摩市研究奨励校ということもあって、「総合的な学習の時問」に力を入れている。1年生から6年生まで、図書やインターネットで調ぺ、まとめ、発表している。来年度からの「総合的な学習の時間」の本格的なスタートにあたり、これからの学校司書にとって、図書以外のインターネット情報の扱い方が重要になってくるのではないだろうか。
 
2.不充分な図書と情報が錯綜するインターネット
 
 我が校は、小人数のため、予算も充分とはいえない。公共図書館と連携しているが、それにも限界がある。このような事情で、「図書室の資料よりも、インターネットがいい。たくさんの情報があって、便利」と思っている児童が多数いるように思う。
 一方、インターネットを全く利用しない児童もいる。理由を聞くと、「検索のやり方がわからない」「たくさんありすぎる」「難しい」などの答えが返ってくる。
 つまり、図書資料もインターネット資料も長所・短所があり、万能ではない、ということがわかるだろう。もちろん、指導する立場からみれば、当たり前の事実である。しかし、児童が気がつかないこともしばしばで、図書資料のみ、または、インターネット資料のみ、と偏っている場合がみうけられる。
 
 
 
 
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3.今、学校司書に求められていること
 
 学校の限られた予算の中では、公共図書館のような大規模な資料収集は無理でる。図書資料の限界を補うものの一つに、CD−ROMやインターネットなどのハイテク資料がある。パソコンを使った授業が行われる場合、その扱い方が重要こなってくる。
 「さまざまな資料の長所・短所を理解し、児童に提供すること」、また、「児童自ら資料にたどりつけるように、図書とインターネットの上手な使い方を指導・助言すること」がこれからの学校司書の重要な役割の一つになっていくのではないだろうか。
 また、図書を扱うにしても「目本十進分類法」や「もくじ・索引の引き方」が解できていなけれぱ必要な情報は探せない。これらの指導・助言を教員のみにまかせるのではなく、学校司書が積極的にかかわっていくことも重要だろう。学校司書は、教員ではない。しかし、学校にいれば当然、「図書のことを知っている先生」である。授業案を提供したり、実際授業を行うこともあるだろう。今、私は担任の先生の協力のもと、「図書利用の授業」をさせて頂いている。なかなうまくいかないが、学校司書しか出来ない授業をめざし、続けていこうと思う。
 
4.おわりに
 
 学校司書しかできない仕事がある。学校司書しか味わえない喜びがある。だか私はこの仕事が好きだ。今後も児童、及ぴ、職員の役に立つよう、日々向上ていこうと思う。
 
 
 
 

 
 
都立図書館の再編がいよいよ始まる!
 
 昨年4月以来検討されていた都立図書館の再編計画がまとめられ、去る1月24日に「今後の都立図書館のあり方」(以下「最終報告」)として東京都教育委員会ほ報告されたぺ多くの都民や図書館関係者、自治体議会等から批判の声があがっていたが、そうした声をほとんど無視して、東京都の「行財政改革」の路線に患実な報告になっている。計画の見直しを求める5万人近い署名を添えて請願も出されていたが、2月19日の文教委員会では残念ながら「保留」ということになった。都はおそらく4月以降、この「最終報告」に従って、「粛々と」実務を進めていくだろう。
 「最終報告」には、多くの問題点がある。そこに貫かれた姿勢は、区市町村立図書館への支援からできるだけ撒退し、都立図書館の役割を一定の範囲に限定しようとするものである。学校図書館との関連で言えぱ、新たな取り組みとして「学校との協カ・連携」を掲げているが、その内容は、都立学校への「協カレファレンスの実施」・「学習に関連した情報提供」、都立図書熊ホームページヘの「学校図書館と区市町村立図書館のぺ一ジ」の設置・司書教諭への研修のみである。学校図書館への支援は、まず第一義的に区市町村立図書館の役割であろう。そのために、都立図書館は区市町村へ豊富な資料提供を行う必要があるのだが、そのことには何も触れていない。
 全体として、きらぴやかな流行語にあふれているが、図書館の理念などどこにも感じられない空疎な作文である。今後、具体的な間題点を指摘していくことで、いくらかでも針画を実質的なものにしなければならない。ぜひ全文を、注意深く読んでいただきたい。都立図書熊のホームページに公開されている。        守谷信二(町田市立図審館)
 
 

  アニマシオン公開研究会

   長倉津海さんとアニマシオン
     〜写真で読む世界〜

  日時:2002年5月18日(土)
     1O:00〜12:00公開授業
     13:00〜14:30スライド
     14:30〜16:00
     長倉さんを囲む座談会
  場所:葛飾区立飯塚小学校
  FAX.054-281-1706
  問い合わせ・申込み:笠井英彦
  ご意見・ご感想をお寄せください。
  発行人:川真田 恭子
  e-mai1:Kykwmt@ao1.com
 

  第5回読書コミュニティーフォーラム
     全国大会

 日時:2002年8月19目(月)9:40〜
    20日(火)10:00〜
 会場:国立オリンピツク記念
    青少年総合センター
 19日 実践報告 広瀬恒子氏 他
    講演 河合隼雄氏
 鼎談 寺脇研氏・常世田良氏・庄司一幸氏
 20日 講演 百瀬昭次氏
 分科会:進化する図書館・学校図書館と
 公共図書館と市民との連携・朝の読書と
 読みきかせ・読書へのアニマシオン