多摩地区公立小・中学校図書館職員の会ニュース
 
 2002年 秋(第8号)
 
        幼小中高が一体となった読書運動

                   茨城県立里美高等学校 教諭 神永利一

 里美高校は、茨城県の北はずれ福島県と境を接する人口5000人足らずの里美村にある生徒数174名の小さな県立高校です。小鳥のさえずりがよく聞こえるほど静かで、緑の山々に囲まれた自然が豊かな場所にあります。
 全校一斉朝の10分間読書を始めたのは今から4年前。当時は実施している高校は少なかったのですが、福島県立石川高校で行っていることを知り、当時の担当者庄司一幸先生にいろいろと教えていただきスタートしました。始めてみたところ「何という静けさ」「ほとんどの生徒が本を読んでいる」等々、先生方が驚きました。始まる前の不安はうそのように。
 この素晴らしい読書活動が本校だけの3年間では物足りない。もっと定着を図り、生涯の財産とするためには小学校から始めたほうがいい。さらに幼稚園から始めたらもっといい。このような考えで、里美村朝の読書研究協議会を作り活動しています。会長は教育長さんになってもらい、村内にあるすべての学校と幼稚園合わせて5校が会員です。
 各学校では、毎日全校一斉の朝の読書を行い、幼稚園では読み聞かせを中心とした読書活動をしています。そして、11月には各学校の成果をまとめた記録集を作り、県内の学校に参加を呼びかけて大会を開いています。
 子供たちの読書が習慣化し、そこから多くのことを学び、豊かな人生を送れることを願っています。さらに、大人になって親になっても読書を続け、我が子に読書の楽しさを教え、子供にも読書をさせることでしょう。

  『朝の読書から 読書コミュニティを創る』 −夢はみんなで
      読書コミュニティネットワーク編  明治図書
    里美村朝の読書研究協議会の発足 神永利一(共著)


           
みんなのお店・学校図書館
               
                   狛江市立狛江第六小学校司書 青木和子

 「学校図書館は、個人商店を経営しているようなもの…」とは、『月刊こども論』学校図書館特集で、目にした言葉です。なるほど!
 鮮度の良い商品(本)を並べ、潜在的な要望を汲み取り、立ち寄りたくなるような雰囲気を作り、顧客ニーズに合った図書を提供して行く。
 店の裏方から、お客への対応まで、一人で切り盛りしなければいけません。その姿勢が、すぐに売上(?貸出冊数)に響くのですから、気を抜くわけにはいきません。
 でも後から後から湧いて出てくる仕事。どこかに目をつぶらなければ、体がいくつあっても足りません。(いつまでも若いわけではないし…)
 全体を見ながら、少しずつ前に進めるしかないようです。
 サービスは、進めることは有っても、後退するわけにはいかないのですから。
 利用者にとって大切と思われるものは…(私見ではありますが)
・読みたい本がすぐに提供されること(よやく制度)
・利用したい時にいつでも開いていること
・自分の読んでいる本や予約した本の情報が他の人に知られないこと(プラバシー保護)
・常に新しい本、話題の本が並んでいること
・面白い本、今まで読んだことない本が常に紹介されること
・自分の読みたい本が、今ここに有るか、無いか、すぐ分かること
・どんな本を読んでいようが、どんな本をよやくしようが、とやかく言われないこと
・何となく落ち着き、心安らぐ場所であること
こんな学校図書館でありたいと思っています。
 皆さんの理想は、どうですか?
 語るは易し、行うは難し。
 短い時間(狛江は、週16時間勤務です)で進めていくためにも、優先順位が必要になってきます。そして、優先順位を付けるためにも、司書の仕事の全体像を捉えていかなければなりません。より良いサービスをするために、裏方の仕事もおろそかにはできません。サービスに一番遠い分類、蔵書点検、環境整備は、勤務初年(平成12年)度に行いました。
 店の将来を左右する商品の配置と棚卸は、手間も時間もかかりました。しかし、目録が出来たことで、システムが導入されれば、OPACへの移行も可能になりました。正確な蔵書によって、若干ですが、図書予算も付きました。
 よやく、取り置きは、教員サービスが先になり(業務量の関係で)児童へのサービスは後になりましたが、ようやく定着しつつあります。
 先輩司書の皆さんの努力で、市立図書館からの団体貸出も始まっており、蔵書の少ない部分を補って頂いているのは有り難いかぎりです。
 学校図書館を支えてくださる様々な機関があることを校内でも理解して頂くために、先生方への説明もかかせません。個人商店といっても、学校という大きなモールの中の一商店ですから、現状の問題点や利用状況、これからの希望などを主任や、管理職の先生方に、理解して頂かなければなりません。自分が動ける範囲と職員全体の総意を必要とする範囲については、シビアに考える必要があります。(ほとんどの部分に総意が必要なのかもしれません。)
 市立図書館の新刊案内や地域センター図書館の案内情報は、市内の様子を知る良い資料です。このような情報を定期的に頂けるのも、市立図書館の司書の方々が、取りまとめ役(商工会?)をして下さっているからです。(無理も聞いて頂いているので、足を向けて寝られない?!)
 小さな商店(学校図書館)にも情報化の波。パソコンが入れば、機器の取扱いにも慣れなければいけません。
 全国の個人商店(学校図書館)を切り盛りしている皆さん。
 お身体を大切に。もうひとがんばり。


 以下、集会情報は割愛します。

発行人:川真田恭子  メール:Kykwmt@aol.com 
                       
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