? 公共図書館と学校図書館の連携を考える?
 
 三多摩地区の12自治体の公共図書館調査報告 その2
川真田 恭子(国立市立第三中学校司書)
 
                           
 多摩市立中央図書館   面接日:8月17日(木)
             面接時間:14時50分〜16時15分
 
 多摩市の学校館を育てる会は多摩市文庫連絡協議会が母体です。その会の運動で初めて1997年に諏訪小学校に学校司書が配置され、現在32校のうち、8校に配置されました。
 多摩市文庫連絡協議会は1988年から文庫展を開催し、2000年2月には12回目の文庫展を開催しています。この文庫展の冊子には多摩市立図書館長の挨拶ものっています。1999年の活動記録から見ると、この会は4月に多摩市の小中学校図書館の充実についての要望「
学校司書配置に関して」を教育委員会教育長に提出、9月・永山小学校図書館見学、10月・教育研究集会分科会「学校司書のいる学校図書館」に参加、11月・「多摩市文庫連」と「学校図書館を育てる会」と「多摩市の図書館を求める会」の3団体から6名で教育長と社会教育部長と懇談し、学校図書館と公共図書館について話をしていると記してあります。
 
 そんな中で、宮崎駿の映画「耳をすませば」を思い出す多摩丘陵の上にある多摩市立図書館のAさんにお話を伺いました。
 公共図書館では学校を援助することについて、市民である児童サービスの中で学校図書館は不可欠という考えをしています。子どもを本に近づけるためには学校図書館が大切ですと言い、Aさんは学校図書館を何度も見学しており、積極的に学校へのサービスを展開しています。そのサービスの一環として、新刊情報の提供をしています。2000年4月〜6月号として「児童書新着本リスト」を出し、これを各学校へ図書担当の先生宛に5部づつおくりました。それに、児童書新刊リクエスト申し込み票をつけています。学校からは中学校向けのリストが欲しいと言われています。
 団体貸し出し用の本から学級文庫へ1クラス50冊貸していて、1校で1000冊ぐらい貸し出しをしています。資料運搬については、10年前に運送委託をしました。半日で1万2千円です。これは数がまとまってある時に利用します。ふだん少しずつあるものには公共図書館にある1台の車を使っています。
 私の面接した場所は図書館の作業所の一角にある2畳ほどのしきりのあるところでした。そこは、新刊本の展示、図書目録、出張・研修などの写真も含めた資料、図書館関係の案内などが棚一杯に並んでいました。ここに展示してある本は3ヶ月間、段ボール箱5〜6箱になるが、公共図書館から学校図書館へ運んで、学校の選書に役立ててもらっています。
 いま、Aさんは総合学習への対応を考えています。総合学習の対応に公共図書館予算の別枠で200万円あるので、これを充てることになるかもしれない、とのことでした。学校から公共図書館へ要求が来るときは、生徒たちが学校図書館を利用してから公共図書館に連絡してください、と言っています。
 団体貸し出しをしているのは、学童クラブ・児童館・幼稚園・保育園・文庫です。団体貸し出し用の本は74,593冊でストックセンターという、小学校の空き教室を使って置いてあります。この本は分館でいらなくなった本と、必要な本は購入している本です。廃棄をしなかったので古い本もあるそうです。廃棄本については、廃棄本をリサイクル本にして、学校へリサイクル本について特に文章で発信しました。5校が来て100冊づつ持っていきました。
 学校図書館にPCはあるが学校の中で使っているだけで繋がっていない。資料について、学校図書館からの情報がほしい、学校図書館と公共図書館の情報を交換したい。学校からの教師の要求に答えるのが大変である。1校だけではなく複数校がいっぺんにきます。
 学校司書とAさんの間に研修の機会はない。私は、Aさんに学校司書との研修または会議をもってくださるようにお願いしました。そして、これが専門職として大切なことを話しました。
 Aさんの要望などは館長を通して、校長会で発言していただいています。Aさんが「調べ学習」に対応したブックリストを作り、公共図書館はこんなことをしているのですと館長に言い、月1度ある校長会へ館長が出て、そのリストを見せて話をしました。
 総合的学習への対応をすすめているが、学校へ働きかけても反応が返ってこないとのことでした。
 小学校への図書の時間への対応はしていないが、小学校2年生に利用指導で1年に1回交流しています。保護者が学校で読み聞かせをしていて、その選択相談にのっているようです。
 市民活動の活発なところは、行政の中も動いています。図書館協議会は10人で平成11年度は4回会議して、鶴ヶ島市立中央図書館を視察しています。
 公共図書館職員が学校図書館を育てる会にかかわると、学校の教師から良く思われない。この会の人が市教委などに言うからだと思うとのことでした。
 Aさんから学校別の読書案内をいただき、閉館であった図書館を案内していただき、とても勉強になった一日でした。                      つづく
(学図研・東京支部 2000年11月NEWS GAKU-TO-KENより転載)