ひののとしょかんを考える会通信 第6号
 
2003年3月24日発行

& としょかんと私 &
 
                           山田 ゆみ(旭が丘在住)
 
 私は30数年前、7才の時に三沢に引っ越してきました。当時は駅前に広がる田んぼに蛍がいて、自然が豊かでした。
 図書館を初めて利用したのは何歳だったか覚えていませんが、旧高幡図書館が旧七生支所の2階にあり、母に連れられて階段を上っていくと、本が沢山並んでいる空間があって、そこでピーターラビットの絵本に出会ったことをはっきり覚えています。
 その後自宅から徒歩10分の所に、現在の高幡図書館が建ちました。大きな窓の明るい雰囲気が心地よく、お気に入りの席で読書していると、あっという間に時が過ぎてしまうこともありました。学生時代も社会人になってからも折々に利用しました。家族の中には都立図書館の本をリクエストしたり、2階の読書会や展示スペースを利用する者もいました。
 結婚後旭が丘に転居した時は、図書館が徒歩圏内になくて少し寂しく思いましたが、ひまわり号を時々利用しました。
 そして、社会教育センター図書館(現・多摩平図書館)で嘱託職員として数年間勤務しました。図書館には表には見えない部分にも多くの仕事があり、職員の努力や気配りによって成り立っていることを、身近に知ることが出来ました。
 また、この前まで乳母車に乗っていた赤ちゃんが歩いて来館する姿を見かけ、その成長に目を見張ったこと。展示した“ぐりとぐら”や“機関車トーマス”の折り紙を見た子供が「これどの本に載ってるの〜」と借りに来て、内心とても嬉しかったこと。年配の利用者が暫く来館しないので、風邪でもひいたかとよそながら心配したこと等を思い出します。
 現在は利用者として主に中央図書館を利用しています。来年初めには、改築した多摩平団地内に図書館が出来ると聞き楽しみにしています
 幼い頃から今日迄、私の生活に中にごく自然に図書館がありました。「おばあさん」と呼ばれる年齢になっても、ずっと図書館を利用したいと思います。いつまでも「あってあたりまえ」の図書館であってほしいと願っています。


bQ
    やっぱり学校図書館には
          力量のある専任の人を!


 本通信読者の皆様にはこの度の「日野市の学校図書館職員制度の制定を求める請願」署名にご協力頂きありがとうございました。すでに御承知のようにこの署名は
2万4千余筆も力なく、12月議会で不採択となりました。9月議会に提出して以来、いくつかの一般質問とそれへの答弁はあったものの、付託された生活文教委員会では核心に触れる討議がないままに、ひたすら「学校図書館あり方検討委員会」の報告書に従うべきという点でのみまとまった会派の議員には議会の意味を問いたいと思います。
 報告書では本年度まで学校図書館事務嘱託員がその要綱に従って行ってきた学校図書館の実務をこの4月から発令される司書教諭(学級、教科を従来通り担当しながらの)が中心に行うことになっており、市政協力員(有償ボランティア)は整理や貸出返却等簡単な仕事の手伝いをするという位置づけです。これによって節約される経費は1000万円にもなりません。行政の判断は予算の問題ではなく別のところにあったことが伺えます。
 13年前、学校図書館事務嘱託員制度が日野市に置かれた時、世間は「あっ!」と驚きました。「地方自治体でもこういうことができるのだ」と。岡山等ずっと先んじていたところはあったものの、専任の人がいる学校図書館は全国的にもまだ僅かで、都内では初めてでした。その後世論の後押しで運動は広がり、今都内は4区9市で、全国では約3分の1の自治体で何らかの形で人が配置されるまでになりました。
 学校図書館事務嘱託員が配置されてきたことで児童生徒の学校図書館利用率は高くなり、図書館らしい設営の工夫もみられるようになりました。折しも自ら学ぶ学習が重要視されるようになり、総合的な学習も本格化しました。専任の人がいてこそ学校図書館は機能するのであり、力量のある人が資料提供して授業をサポートしていくことがどれだけ授業を豊かにするかということが経験を通して今、日野の教員や父母に理解されはじめたところでした。制度としては甚だ未熟なものではありましたが当事者の献身的な実践が国の方針を裏付けたと言えるでしょう。
 しかし、日野市教育委員会は、「この制度にはマイナス面もあった」と捉えてきました。「教員がやるべきことを嘱託員に任せてきたこと」もその一つであったと。ともう一つは、嘱託にもせよ職員としたことにより、常に正規化要求の不安の種だったのだろうと推測されます。ずっと「まずい制度」をつくってしまったと思い続けてきたので、その制度のよりよい活用を促す助言もせず、制度の手直しもせず、プラス面を率直に評価することもしなかった訳です。あえて国の方針を無視し、学校図書館法の一部改正を渡りに舟とばかり、発令されることになった司書教諭(兼務)に全てをかぶせることにし、ボランティアを受け入れることで、かろうじて「無人ではない」と逃げ切ったのには、長い間のこの後ろ向きの考え方があったからだと言えそうです。
 全国に有名を馳せた公立図書館をいただく日野市としては、学校図書館も視野にいれ、理想の形を模索してほしかった。どこで財政難を克服したとしても、教育費、とりわけ学校図書館で働く人たちのもともとボランティアのような手立ての部分をカットして、というのは時勢に逆行しています。未来の社会を担う子どもたちの教育に、教育委員会は真剣に頭を悩ませてほしいし、夢をもって行政に立ち向かってほしいと思います。

             

 市政協力員には200名を越す応募者があったと聞きます。その方達も実際に学校図書館に入って、「きちんと専門的な力のある人がいなければできない仕事だ」と感じる日も近いことでしょう。「読みたい、知りたい、調べたい」というどの子の知的要求にも応えられる本当に図書館らしい機能のある学校図書館の一日も早い実現を願っています。(加藤暉子)

bR

◆ シリーズとしょかんをもっとよくしろう bR ◆

        図書館の障害者サービス partU

                    点訳グループ六点の会 代表 久保田正子

 私たち目の見えるものにとって、図書館は情報の宝庫です。さまざまなジャンルの本が書架に並び、そこから必要な本を借りたり、レファレンス室での調べものも自由にできます。またそこに無くても、リクエストすれば取り寄せて貸し出しもしてもらえます。図書館は老若男女を問わず、必要な知識を得ることのできる市民の共有財産でもあるのです。
 だがこの図書館を自由に使うことができない方たちもいます。身体が不自由で図書館に来られない人、目が不自由で活字が読めない人。前号ではそういう方たちに対する図書館からのサービスをお知らせしました。今回は目の不自由な方たちに点字でさまざまな情報を提供している点訳者グループの現場からの声をお知らせします。
 「点訳グループ六点の会」は、1978年にわずか3人で点字の勉強会を始め、25年たった今では、メンバーも18人になりました。点訳の実践を通して、難解な点字特有の文法を学び、点字を読まれる利用者のことを考えながら点訳ボランテイアとして活動しています。25年前、どこの公共図書館も点字利用者に対する点訳サービスはしていませんでした。点字は福祉の分野と決められていた(今でも社会的認識は変わらない)ので、点字図書館がその責任を担っていたのです。だがそれはおかしなことです。同じ市民でありながら、一方は図書館を自由に利用でき、一方では目が見えないというだけで利用できないという社会的な不公平さを正したかつた部分もあり、私は自分たちの点訳した本を図書館を通して貸し出しするよう働き掛けました。紐余曲折はありましたが、さすが「市民の図書館」のモデルでもあった日野の図書館は動いてくれました。
 点訳書の貸し出しにつづいて、点字利用の方たちの希望に沿つて、読みたい本や生活に必要な情報物の点訳サービスも始まりました。点字利用者から図書館に点訳して欲しいと申し込みがあると、図書館がそれを受けて「六点の会」に点訳物を依頼します。そうして出来た点訳物は、図書館から利用者の手元に届けられます。今ではゴミ推進リサイクルセンターのゴミカレンダーの点訳もしています。「必要な人に、必要なものを速やかに」をモットーに日々点訳に追われています。また4年前から点字絵本の制作も始め、図書館の児童書のコーナーに並べてもらっています。ぜひ見てください。お馴染みの絵本に点字が貼られていて、活字と点字の比較ができます。
 私は長年点訳という仕事を通して、この街でさまざまな人たちと共に暮していることを実感させてもらっています。点字利用者が指先一本で点字を読んでいくその姿を想像しながら、より完成度の高い点訳を目指していきたいと日々励んでいます。

bT
       「多摩むすび」からのPR


 都立図書館再編問題を契機に「多摩地域の図書館をむすび育てる会」、(通称「多摩むすび」)が昨年10月に発足しました。
 現在、同会のプロジェクトチームが、多摩地域における「資料の保存」の問題について、集中的に検討を進めています。
 これは、先に都立図書館が現有保存スペース内での保存に限定するとした、都立図書館としての保存に対する責任放棄とも思える方針を提示したこと。また、多摩地域で2001年度に除籍された資料が49万冊にものぼることなど、保存の問題が多摩地域の図書館にとって緊急を要する問題であるとの認識に立っているからです。
 今年1月、その中間報告として、利用を前提とした保存図書館、いわゆる「デポジット・ライブラリー」の設立を目指した取り組みを提案しています。
 設立運営主体、場所など問題はいろいろありますが、公的な機関がダメならNPOによる設立もありうるなど、待ったなしの提案となっています。
 会では、立川市(1月)・町田市(2月)・東村山市(3月)・調布市(4月13日 日曜日 午後6時30分〜9時 調布市文化会館たづくり10F 1002学習室)と、この中間報告に対する市民・職員等からの意見を聞く公開説明検討会を順次開催し、共同保存書庫構想をより具体的なものにしていきたいと考えています。
 ホームページ上にも同中間報告書を掲載していますので是非ご覧の上、ご意見をお寄せいただきたいと思います。
http://www.hinocatv.ne.jp/~je1hyg/kankeidantai/tamamusubi/tamamusubi.htm(三多摩図書館研究所の関連団体のコーナーに「多摩むすび」のホームページが掲載されています。)
  

bU

「図書館の会」参加報告 1 1 1 1 1
 
☆日時:2002年12月16日  午後1時30分〜4時30分
  場所:ルネ小平(小平市)
  参加:西東京市、調布市、東久留米市、多摩市、小平市、杉並区、日野市、稲城市(新参加) 
 助言者:山口源治郎先生(東京学芸大)
 上記の市民が集まって図書館問題を話し合い、情報交換をする自主的な会も、このところ行政の財政悪化を理由の施策の後退や、時流に乗った為政者側の無策をすり替える手段などによって出てくる問題の多さに戸惑っています。
 PFIやNPOなど横文字の略称を使った方式を行政が取込み、市民が分からないうちに進んでいく。その方式を取り入れて行政のスリム化をはかるのもよいが、きちんと市民に清報公開をして、方法手段のメリット、デメリットを知らせていく義務があると思うのだが、現実にはどこでも市民の知らないところで進んでいきます。市民がおかしいなと気付いたときはもう遅いのです。私たちも学習を重ねながら、チェックしていく必要があるでしょう。
 調布市の調和小学校がPFIで建てられ、学校と市民体育館や図書館などが一体化した建築の報告がありましたが、そこで小学校の校舎の一部にシックハウス問題が出たとの報告がありました。事前にそういう問題を調布市は建設業者との話し合いの中で取り上げていたのでしょうか。市民の不安はこれからも増しそうです。

☆日時:2003年2月20日 午後1時30分〜4時30分
  場所:ルネ小平(小平市)
  参加:西東京市、調布市、小平市、東久留米市、多摩市、日野市 
  助言者:山口源治郎先生
 各地の報告があり、そのあといま盛んにいわれているNPOについて考えてみようという提案。日本では民間の活力導入という言葉で、後退していく官の施策を補う方法として官主導で進めるものと、市民が自分たちの活動理念に則つて、NPOの資格を取得していくなどさまざま。ただ日本のNPO法は税制面や、煩雑な手続きなど未成熟なままに見切り発車した分、問題カミでてくるのはこれからだと思います。NPOバブルといわれているが、そのバブルが弾けたときどうなるのか興味があるところです。
 次回はブックスタートについて各地の現状報告。                (文責 久保田記)

 
☆この通信は点訳版もあります。ご希望の方は事務局までお申し出下さい。
三多摩図書館研究所のホームページ(http://www.hinocatv.ne.jp./~je1hyg/)の関係団体情報コーナーに、「日野の図書館を考える会」のページが掲載されています。