? 図書館自らの情報公開について(1) ?
 
−日野市立図書館を例にして−
 
石嶋 日出男
 
 
 市民が、自分の住むまちの図書館が日々どのような図書館政策の基に運営されているかを知ろうとしたとき、図書館は市民の前にはたしてどれだけ自館の関係資料を公開しているだろうか。市行政の情報公開の窓口として図書館の果たす役割がますます高まるなかで、図書館自らの情報公開こそまず先がけて実施されるべきものではないだろうか。住民サイドに立った図書館運営を標榜するならその公開度がひとつの指標となろう。
 日野市立図書館では、市民が直接アクセスできる資料として次のようなものを所蔵し公開している。図書館自らが作成するもの、図書館が統計数値等を提供し、所属する教育委員会又は市長部局等で刊行されるもの、また議会が独自に刊行するものとさまざまだが、日野市の図書館政策全般を知る手がかりとなる基本的な資料である。これらの資料がまず公開され自由に手にすることができれば、図書館運営により積極的に関わろうとする市民への資料面での援助となるであろう。それができて初めて図書館員と市民の手による、市民生活に役立つ図書館の構築につながるものと考える。
 以下、関係資料を<A 条例・規則・要綱 B 刊行物全般 C 図書館関係団体による刊行物 D 文書>の4項目に大別し、その中を発行する担当部署毎に区分けし、図書館運営に関心のある市民が実際に手に取れるよう、それぞれの大まかな特徴と内容にふれてみた。一部の資料に全館で所蔵されていないものもあるが、ほとんどが各図書館で所蔵し公開されている。
 なお、資料は、「資料名」の次に「編集担当部局」「刊行年月」「請求記号」等を記載した。また、資料名の後に*印のあるものは全館で所蔵しているもの。それ以外の資料で特段注意書きのないものは、多摩平児童、百草台児童図書館を除く中央、高幡、日野、社会教育センター、平山、百草図書館と市政図書室で原則的に所蔵している資料である。
 
 
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 
 
 
☆ 目 次
 
1.市長が議会に提案し、議会の承認を得て初めて成立するもの
2.教育委員会の承認によって成立するもの
 
1.市長が議会に提案し、議会の承認を得て初めて成立するもの
2.市議会が作成し公開しているもの
3.市長部局で刊行し公開しているもの
4.教育委員会名で刊行し公開しているもの
5.図書館独自で作成し公開しているもの
6.監査委員が作成し公表しているもの
 
1.東京都公立図書館長協議会が刊行し公開しているもの
2.日野市立図書館が加盟している社団法人日本図書館協会が刊行し公開しているもの
3.東京都公立図書館図書館利用に障害のある人々へのサービス研究会(通称、障害者サービス研究会)が作成し公開しているもの
4.その他の団体が刊行し公開しているもの
 
1.利用者の個人情報に関して
2.日々作成される文書類
3.図書館協議会に関して
 
 
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 
 
 
1.市長が議会に提案し、議会の承認を得て初めて成立するもの
 
(1)『日野市立図書館設置条例』 1965.6.20施行
・日野市立図書館が図書館法に基づく図書館であることを明記し、市民に対して図書館の果たす役割、日野市としての図書館行政の基本的な考え方を表明している。
・日野市立図書館が中央図書館及び分館によって構成されるシステムであること。また、その名称、設置場所、職員の構成等を規定。
・日野の図書館サービスの責任者として、専門職である図書館長が望まれる。ここに有資格条項として盛り込みその必要性を示しているが、地方分権一括法案が可決され図書館法も改正されたため、日野市としてもこの条項の取り扱いが注目される。
☆補足:2000年3月議会に日野市立図書館設置条例改正案が上程され、第5条第2項は「図書館の館長は、図書館機能を達成するため、図書館法に定める専門的職員のほか
館長として必要な学識経験を有する者とする」と改められた。
(2)『日野市立図書館協議会設置条例』 1965.10.15施行
・図書館法に基づく図書館協議会の設置を規定。
・民主的な図書館運営を支える機関として設置し、市民の声を反映させる場として機能するよう求められる。
・これまで市議会議員2名が委員として入っていたが、今後その枠がなくなりこれまで以上に利用者の声がストレートに反映される協議会運営が進められる可能性が出てきている。
注:以上2点は日野市例規集、日野市要綱集に収録され、年2〜4回差し替えられる。
☆補足:2000年9月より例規集及び要綱集は年度版の冊子体及びCD−ROM版に変わった。
:2000年4月より市議会議員2名の委員枠がなくなり代わりに学識経験者2名が加わった。
    
2.教育委員会の承認によって成立するもの
 
(1)『日野市立図書館運営規則』(教育委員会規則) 1965.9.15施行
・図書館の運営全般に関し必要な事項を定めた規則。
・まず、図書館奉仕として、図書館法に基づく各種事業を行うことを明記し、図書館奉仕を受けることができる場所と日時、利用の制限、損害の弁償について定め、次に個人貸出の手続、貸出券の紛失、資料の貸出冊数及び期間、資料の返納について、さらに団体貸出と集会室の利用について定め、最後に資料の受贈及び委託について規定している。
・利用者の権利を図書館としてどこまで保障しているかが読みと
れる。
・個人利用の貸出冊数や開館時間の問題もこの規定に基づく。
・10月から市内在学生への貸出し、及び貸出し期間内の貸出し冊数の制限が撤廃されたが、これもこの運営規則の改正を受けて実施された。
(2)『日野市立図書館処務規則』(教育委員会規則) 1965.9.15施行
・図書館奉仕がスムーズに進められるために、図書館の事務の処理について必要な事項を定めたもの。
・館長の上司への具申権、専決権等の権限がどこまで保証されているかを確認できる。
・図書館の教育機関としての自立性もここに反映される。
・各係、各分館の事務分掌の内訳が掲載されていて、図書館内部の業務ののおおよその中身がわかる。
・来年4月には教育委員会の組織改正が予定されていて、一部各係の名称、事務分掌が変更される。
(3)『日野市立図書館協議会運営規則』(教育委員会規則)1965.11.20 施行
・図書館協議会の運営に関して定めた規則。
・図書館運営に対して市民の声を反映できる貴重な場のひとつ。
・図書館の将来構想の策定などに協議会が積極的な関わりがなされているか、保障されているかなど注目に値する。
・会議自体の公開・非公開の判断は図書館長による。
(4)『日野市立図書館視聴覚ライブラリー運営規則』(教育委員会規則) 1967.3.9施行
・日野市立図書館には視聴覚ライブラリーが設置されているが、現在実際のサービスとは隔たりが出ており改正が必要だ。
・視聴覚資料としてはCD、カセット、ビデオ、16ミリフィルム等があるが、利用者の要求にほとんど応えられていないのが実情。
(5)『日野市立図書館コピー実施要綱』 1994.4.1施行
・著作権法に基づくコピーサービスの実施に関する要綱。
・図書館で唯一料金を徴収しているコピーサービスが有料となる根拠を示す。
・コピーサービスには通常のコピーとマイクロフィルムの複写がある。
(6)『日野市立図書館障害者サービス実施要綱』 1992.12.1施行
・日野市立図書館の障害者サービスは1973(昭和48)年から始まったが、1992(平成4)年にサービス実施要綱として正式に策定したもの。
・「図書館利用に障害のある人々へのサービス(通称、障害者サービス)」の日野市立図書館としての位置づけを明記。
・サービスの種類、利用者、利用登録、音訳や点訳に従事する資料変換者、サービスの実施内容、資料変換者の守秘義務等について規定している。
(7)『日野市立図書館パソコン点訳システム利用要綱』 1992.12.1施行
・視覚障害者及び点訳者等にパソコン点訳システムを開放するために策定した要綱。
・現在はパソコン点訳だけでなく、情報検索等の利用もなされるようになっており障害者サービス用パソコンシステムとして開放されている。
(8)『日野市立図書館リサイクル実施要綱』 1996.7.15施行
・図書館資料として不要となった資料を市民に提供するリサイクル事業についてまとめた要綱。
注:以上8点は日野市例規集、日野市要綱集に収録され年2〜4回差し替えられる。
☆補足:2000年9月より例規集及び要綱集は年度版の冊子体及びCD−ROM版に変わった。
 
 
 
1.市長が議会に提案し、議会の承認を得て初めて成立するもの
 
(1)『一般会計予算書及び説明書』 毎年3月作成
・議会に対して予算全般を提案するための議案書。
・教育費内図書館費の項に、報酬・給料・職員手当等・共済費・賃金・報償費・旅費・需用費・役務費・委託料・使用料及び賃借料・工事請負費・備品購入費・負担金、補助及び交付金等、各項目毎に予算額が掲載されている。
・日野市の財政状況は年々悪くなる一方だが、そんな中で理事者が図書館をどうみているか、それがここに顕著に数字で現れる。
・予算編成用の詳細な積算数値はこれでは得られないが、予算案が議会で承認された後は情報公開条例に基づき公開の対象になる。
(2)『一般会計・特別会計決算書』 毎年9月作成
・予算書で提示されいた各項目の実際の支出結果を議会に提案するための議案書。
・図書館における予算書上の各項目毎の執行結果を確認できる。
・議会の決算委員会の前に監査委員による決算審査がある。
注:上記2点は中央図書館2階レファレンス室、高幡、日野、百草図書館、市政図書室で所蔵し公開。
 
2.市議会が作成し公開しているもの
 
(1)『ひの市議会だより』 季刊
・年4回の定例議会の抄録。
・本会議の一般質問の席上で、図書館に関してどのような質問が出たかその概略がわかるが、詳細は次の『日野市議会会議録』に掲載されている。
・提出された陳情・請願、決議等についても掲載。
(2)『日野市議会会議録』 季刊 SJ4
・定例議会の詳細な会議録。
・図書館に関して、どの議員からどんな質問が出て、市長、教育長、生涯学習部長がそれにどう答弁したかがわかる。
注:中央図書館2階レファレンス室、高幡図書館、市政図書室で所蔵し公開。
(3)『日野市議会一般会計予算特別委員会会議録』 毎年3月発行 SJ4
(4)『日野市議会定例会生活文教委員会会議録』 季刊 SJ4
(5)『日野市議会一般会計決算特別委員会会議録』 毎年9月発行 SJ4
・上記3点は、各委員会で議員からの質問に対し市長、教育長、生涯学習部長初め、図書館業務の直接の責任者である図書館長がどう答弁したかが読みとれる。
・議会関係で図書館長自身の発言が正式に記録されるのはこうした委員会会議録のみ。
・現在、「社会教育センター内に図書館を存続することを求める請願」が出され、生活文教委員会で論議されている。この件での図書館長の発言も確認できる。
注:市政図書室でのみ所蔵し公開。
(6)『請願処理状況報告書』 毎年3・9月発行 SJ0
・議会の各定例会に提出された陳情・請願の内訳と処理状況を掲載。
・図書館建設や開館時間の延長など図書館関係の陳情・請願が出ている場合、議会での処理状況がわかる。
(7)『請願・陳情集』 5年毎に刊行 SJ0
・前出の『請願処理状況報告書』をまとめたもの。
・図書館関係の請願・陳情が過去どのようなものが出たか、議会でどう処理されたかが記録されている。
・分館の建設等、議会で採択されていても未だ実現に至っていないものがある。
注:上記(6)(7)は中央図書館2階レファレンス室と市政図書室でのみ所蔵し公開。
 
3.市長部局で刊行し公開しているもの
 
(1)『日野市事務報告書』 総務部庶務課編 毎年8月刊行 SG3
・日野市として行った当該年度の各事業の総合的な報告書で、図書館事業について最初に報告される公式文書。
・図書館に関しては、図書館協議会、蔵書数、奉仕実績(登録者、延べ利用者、開館日数、貸出冊数、移動図書館・駐車場別貸出
冊数、リクエスト処理件数)、団体貸出、障害者サービス、視聴覚資料・機械保有数及び貸出数、レファレンスサービス、刊行資料、展示会・集会室利用状況(中央、高幡、百草図書館、
集会室・朗読室利用状況)、図書館行事、他機関との連携、市政資料(文献調査、刊行資料、市刊行物の有償頒布)、コピーサービス、講習会の各内容・実績等を掲載。
(2)『とうけい日野』* 企画財政部企画課統計担当編 毎年10月発行 SN4
・日野市の人口、産業、社会福祉、教育等の各分野にわたる基本的な統計資料を収録し、市政の現況とその推移を図表と数字で表したもの。
・図書館の蔵書冊数、利用状況、情報サービス内容別受付件数、視覚障害者に対するサービス状況等、図書館サービスの一部をピックアップして掲載。
(3)『広報ひの』 企画部市長公室編 月2回発行
・おはなし会の開催案内やサービスの紹介等、図書館からの各種お知らせを掲載。
・図書館への意見や要望等を投稿できる場としても利用可能。
・特集で図書館サービス全般を取り上げることもある。
(4)『日野市基本構想・基本計画』 企画財政部企画課編 1996.10刊行 318.2(SG2)
・日野市としての長期、短期の政策全般を公表したもの。
・図書館の今後のあり方、長期計画を知る上での基本的な資料。
・基本計画に盛り込まれていても財政状況等により実現に至っていない現状がある。
(5)『日野市第2次日野市行財政改革大綱』 行財政改革推進本部編 1999.08刊行 SF1
・1996(平成8)年に策定した行財政改革大綱を基本とし、長期低迷による厳しい財政状況を踏まえて見直しを行い新たに策定されたものとされている。
・図書館の運営に関しては、人員3名の削減、移動図書館車の廃止等が打ち出されており、これまでの図書館サービスの大幅な変更を求められている。
(6)『日野市市民意識調査報告書』 企画部企画調整課編 1999.03刊行 SG4
・市民参画のもとに2010年を目標年次とした総合計画策定のために、1998年度に実施された意識調査。
・生涯学習の項目では図書館の充実に関する意見が多数寄せられていることが報告されている。
 
4.教育委員会名で刊行し公開しているもの
 
(1)『平成10年度 日野の教育』(教育要覧) 5年毎に発行
SU4
・1992(平成4)年度から1998(平成10)年度までの5年間の日野市教育行政全般の事業実績を報告。
・図書館運営の基本(図書館の役割、豊富な資料、「貸出し」「レファレンス」、全域サービス網)、図書館協議会、図書館の歩み、個人貸出し、利用登録者、年間受入冊数と蔵書数、図書館経費とサービス効果、図書館施設、レファレンスサービス、市政図書室(地域行政資料センター)、リクエストサービス、児童サービス、視聴覚サービス(16ミリ映写機操作講習会、16ミリ映写機検定)、展示・集会、障害者サービス(対面朗読、録音図書の作成及び貸出、点字図書の作成及び貸出、大型活字本、拡大写本、さわる絵本、図書の配達、視覚障害者へのパソコンサポート)、広報、施設計画等、日野市立図書館の各サービスの解説と過去5年間の実績を掲載。
(2)『社会教育事業総覧』 毎年9月発行 SU9
・各年度毎の生涯学習部各課の実績が掲載され、日野市における生涯学習政策全般を知ることができる。
・図書館運営の基本(基本方針、施策の重点)、図書館施設、図書館協議会、蔵書状況(蔵書数、分類別年間図書受入冊数)、施設別利用登録者、延べ利用者、貸出状況(施設別貸出冊数、開館数、移動図書館・駐車場別貸出冊数、年間貸出ベスト30)、児童サービス(おはなし会、学校訪問、その他)、リクエストサービス(処理状況)、参考調査(文献調査・コピーサービス)、障害者サービス状況、団体貸出状況、刊行資料、視聴覚ライブラリー等、日野市立図書館の基本的な考え方の表明に始まり当該年度の図書館サービス全般の実績を報告。
・図書館の組織図及び担当職員名等も掲載。
☆補遺
(3)『教育委員会定例会会議録』 毎月定例会後
・教育委員会定例会の審議内容の要旨をまとめたもの。
・今回の図書館設置条例改正に伴う請願に関する教育委員の考え方、館長の発言内容等を知ることができる。
 
5.図書館独自で作成し公開しているもの
 
(1)『利用案内』*
・日野市立図書館としてのサービス理念、利用条件、利用方法、開館時間、各種サービスの内容、図書館配置図等を掲載。
・利用登録の手続きの際、利用の仕方等の説明時に手渡される、利用者のための権利憲章。
(2)『図書館報ひろば』* 年2〜3回発行
・現在行われているサービスの紹介、利用者の声、利用実績等を紹介。
(3)『日野市立図書館のサービス実績』* 毎年7月発行
・開館以来の各年度毎の統計数値。
・図書館施設、蔵書状況、施設別利用登録者、延べ利用者、貸出状況、団体貸出、リクエストサービス、レファレンス、障害者サービス、経費、サービス効果、図書館のあゆみ、図書館配置図等を掲載。
(4)『図書館要覧』*
・百草台児童図書館以外の各館の施設案内。
(5)『日野市立図書館関係文献リスト』
・日野市立図書館に関係した内外の文献等、開館時代からの資料をリスト化したもので、職員自身が書いた論文等も同時に掲載している。
・沿革資料も含めた日野市立図書館全般を知る手がかりを提供してくれる。
・日本の公立図書館の変革に一石を投じた日野市立図書館の活動について、初代の前川恒雄館長、2代目の砂川雄一館長が執筆した著作・論文等は、図書館運動に関わろうとする市民にとって、市民生活に本当に役立つ図書館とは何かを考える上で非常に示唆にとんだ資料である。
(6)『日野市立図書館関係新聞記事索引』
・開館以来の日野市立図書館関係の新聞記事を検索でき、これを元に別にファイルされた記事そのものを見ることができる。
(7)『日野市立図書館の現状と当面する諸問題について』
砂川雄一氏作成 1995.11刊行 R011.3
・日野市立図書館の現状を分析し、今後の方向性を指摘。分館の建設、保存庫の建設等具体的な提案をしている。
(8)『日野市立図書館運営経費の決算額調べ 1965〜1995』 砂川雄一氏作成 1997.03刊行 R016.1
・上記2点は元館長砂川雄一氏のまとめたもの。
・「図書館経費の30年間の推移」「職員給与費を除く図書館経費の節』の推移」「臨時経費を除く図書館経費の主要な科目構成の推移」「職員給与費・臨時経費を除く図書館経費の主要な科目構成の推移」「最近5年間の図書館経費の平均的構成、最近5年間の職員給与費を除く図書館経費の平均的構成」(以上5点はグラフ)、及び「日野市立図書館決算額一覧表(1965〜1995)」を収録。今後の日野の図書館政策を考る上で、財政面での基礎
データを提供してくれる。
注:上記(5)(6)(7)(8)の4点は中央図書館2階レファレンス室の「日野市立図書館関係資料コーナー」にて所蔵し公開。
 
6.監査委員が作成し公表しているもの
 
(1)『定期監査報告書』 毎年2回 SH3
・地方自治法の規定による定期監査の結果をまとめて公表したもの。
・図書館に対して指摘された改善又は検討を要する事項に対しての意見要望等を掲載。
・平成9年度の図書館に対する定期監査では、「蔵書の紛失と盗難防止について」「有償刊行物の保管について」「市内の大学・高校への通学者に対する貸出について」等の指摘があったことがわかる。
・上記の指摘事項は毎年実施される決算審査の場でもその後の実施状況を問われる。
注:中央図書館2階レファレンス室及び市政図書室でのみ所蔵し公開。
 
 
1.東京都公立図書館長協議会が刊行し公開しているもの
 
(1)『東京都公立図書館調査』 毎年8月刊行 R010.21 (SV1)
・東京都公立図書館長協議会が毎年調査しまとめたもの。
・日野市立図書館の規模(床面積、座席数、蔵書数、雑誌種、新聞種、視聴覚資料数、職員数、BM、連絡車)、図書館の活動(登録者数、貸出冊数、視聴覚資料貸出数、委託)、障害者サービス、コンピュータの利用、図書館の予算(図書館費、資料費、図書費、図書費の内訳、視聴覚資料費、その他資料金額、賃金金額、講師謝礼金額等)の各項目毎の実績を収録。
・日野市立図書館の障害者サービスが都内で現在どのような位置にあるか、また他の図書館との細部の比較検討も可能。
注:中央図書館2階レファレンス室、百草図書館、市政図書室で所蔵し公開。
 
2.日野市立図書館が加盟している社団法人日本図書館協会が刊行し公開しているもの
 
(1)『日本の図書館 統計と名簿』 毎年1月刊行 R010.3
・全国の図書館の統計数値全般と名簿を掲載。
・日野市立図書館の延床面積、奉仕人口、職員、蔵書冊数、受入図書冊数、年間除籍冊数、雑誌購入種数、団体貸出冊数、及び個人貸出関係では登録者数、貸出点数、予約件数と続き、最後に当年度決算額、次年度予算額の順で掲載。
・全国の同規模自治体の図書館と日野市立図書館の比較分析ができ、日野のサービスのレベルがうかがえる。
(2)『図書館年鑑』 毎年6月刊行 R010.5
・日本各地の図書館の状況、館種別状況、また、図書館の自由や児童青少年の読書の問題等、図書館界をめぐるさまざまな問題等を総合的に見ることができる。
・図書館統計、図書館関係資料、書誌、館種別名簿を同時に掲載。
注:以上2点は中央図書館2階レファレンス室のみにて所蔵し公開。
(3)『日野市立図書館の発展計画のための調査・研究 1985』 1986.3 R011.3
・日野市立図書館が日本図書館協会に委託して実施した調査の報告書。この報告書で指摘されたその多くが未だ実現に至っていない。同種の調査が早急に実施され、今後の政策に生かされることが望まれる。
(4)『図書館雑誌』 月刊
・公共、大学、学校、専門図書館など図書館界の最新情報を含め、図書館が抱えるさまざまな問題を扱った図書館総合誌。
・巻末に図書館関係の資料、雑誌記事情報等を掲載。
注:上記最新号は中央図書館1階にて公開。バックナンバーは中央図書館2階レファレンス室にて所蔵し公開。
 
3.東京都公立図書館図書館利用に障害のある人々へのサービス研究会(通称、障害者サービス研究会)が作成し公開しているもの
 
(1)『東京の障害者サービス』 毎年6月刊行 R015.1
・都内の公共図書館における障害者サービスの実状を毎年調査しまとめたもの。
・各サービスの詳細な数値が掲載され、日野市立図書館の障害者サービスの現状を網羅的に把握できる唯一の資料。
・この調査報告から進んだサービスを展開している他の図書館の情報を得て、日野市の障害者サービスの改善を求めていくことができる。
注:中央図書館2階レファレンス室でのみ所蔵し公開。
 
4.その他の団体が刊行し公開しているもの
 
(1)『みんなの図書館』 月刊
・図書館問題研究会編集、教育史料出版会発行。
・図書館員を初め、利用者、研究者など図書館運動に関わる人たちの実践記録を扱った図書館情報誌。
・全国各地で繰り広げられている図書館運動のホットな情報も得られ、これから図書館運動を展開しようとする人にとっても貴重な情報源となる。
注:上記最新号は中央図書館1階にて公開。バックナンバーは中央図書館2階レファレンス室にて所蔵し公開。
・三多摩図書館研究所編集・発行。
三多摩図書館研究所は、図書館は「資料を提供する組織体」という考えに基づき、多摩地域の現状に根ざした図書館政策の創造をめざすことを目的として1994年12月に設立された。
・三多摩の公共図書館に勤務する職員や図書館運動に関わる市民、大学教師等が、多摩地域の特徴や現状のなかから研究した成果をまとめた冊子。
・日本の図書館界をリードしてきた三多摩の図書館の今後の図書館政策を考える上で地域性の高い情報を得ることができる。
注:中央図書館2階レファレンス室でのみ所蔵し公開。
 
 
1.利用者の個人情報に関して
 
(1)『図書館利用状況管理事務』
・図書館は利用している市民の個人の登録事項及び資料貸出状況を管理している。
・日野市個人情報保護条例による開示請求により、図書館が管理している利用者自身の個人情報の確認が可能。
・今後インターネットを使用した時のセキュリティーの問題は利用者としても十分注目しておく必要がある。
・ 個人情報保護条例による開示請求の窓口は総務部庶務課。
 
2.日々作成される文書類
 
(1)『回議書』
・図書館サービスを日々展開するために各担当が起案する回議書はもっとも基本的な資料。
・臨時・嘱託職員の雇用、講習会の開催、調査の回答、施設の修繕等、業務上作成される回議書は文書規定に基づきファイリングされている。
・日野市情報公開条例成立以前の回議書については散逸しているものも多数あるが、図書館の沿革資料として保存し続けている。
(2)『委託契約書』
・施設管理及び図書整理・集会室管理、図書館資料等の搬送業務、建物清掃等の各種委託先、委託の中身等を見ることが可能。
(3)『賃貸借契約書』
・コンピュータ機器、コピー機器、電話・ファクシミリ、パソコン点訳システム、土地借り上げ等の各種契約書の詳細が確認できる。
(4)『日誌』
・開館以来の移動図書館及び各館の業務日誌。
(5)『朝礼日誌』 1991年10月2日から記録開始
・中央図書館の朝礼時、全館に関わる連絡、報告事項をメモした日誌。
(6)『文書』
・庁内の各部署及び他の機関から日野市立図書館宛に届いた各種文書。
・簡易な回答文書も含む。
注:以上6点は中央図書館庶務整理係で管理している。日野市情報公開条例に基づいて開示請求が可能。
 
3.図書館協議会に関して
 
(1)『図書館協議会会議録』
・年4回開催される図書館協議会の会議の内容を知ることができる。
・会議録は中央図書館庶務整理係で管理している。
・日野市情報公開条例に基づいて開示請求が可能。
 
 
 庶務整理係の文書担当として、年表等の作成から始まり、関係文献・新聞記事、各種沿革資料等の整理を進める中で、市民に開かれた図書館を築こうと開館以来取り組んできたこれまでの流れが、大きな変化を見せようとしているのではないかとの危惧を感じていた。こうした中で、今担当している仕事に関連してすぐにでも取り組めるものはないかと考えたとき、日野市立図書館自らの情報公開はいったいどうなっているだろうか、そのことを探ってみてはどうかとの思いに至った。
 実際に主だった資料にあたってみて、職員自らが業務上作成する細々とした文書、特に管理職が作成する回議書以外の文書等の取扱に、本来の情報公開の趣旨から考えるとまだまだ問題を残すものの、日野市立図書館の場合かなり市民の前に公開されているように思えた。ここに取り上げた資料に市民が直接アクセスできれば、日野市立図書館が今どのような政策の基に運営されているかおおよそがわかるのではないか。また、三多摩の図書館や全国の図書館で優れたサービスを展開している他の図書館の情報にふれることで、市民として今後どのような図書館像を求めるかをより具体化する手がかりとなるのではないか。図書館法の改正や財政危機により、これまでとはまったく違った状況に図書館が置かれようとしている今、市民が日野の図書館サービスをよりよくするためにより積極的に要求していくことが、利用者の立場に立った図書館政策を導き出す大きな力となるのではないかとの思いを強くした。
 ただ、こうした資料が公開されていることが確認できたものの、図書館員として今後早急に取り組まなければならないのは、多くの利用者にこれらの資料の存在を知ってもらい、自分たちが住むまちの図書館の活動に大いに関心をもってもらうことだろう。図書館として公式に取り組むことが本筋であろうが、それが厳しければ、組合レベルでの市民との合同学習会の開催もひとつの方法ではないだろうか。
 ところで、ここで紹介した資料のほとんどが視覚に障害のある市民にとってはけっして利用しやすいものではない。対面朗読での利用は可能でも、現在のところ録音・点訳がなされていないのは事実であり、また、在住の外国人住民への保障も皆無に等しいこととあわせて、今後の大きな課題のひとつである。
 また日野市立図書館では利用者懇談会を開催していない。かつて障害者サービスを担当していたとき利用者懇談会を開いたことがあるが、利用者からの生の声を聴くことができそれ以後のサービスに生かせた経験がある。一般の利用者を対象としたものは高幡図書館建設時に開かれて以来ここ二十年来開かれたことがない。市民への情報公開の場として利用者から直接意見を聴き、こちらからも図書館としての方向性を示す機会として積極的にセッティングする必要を強く感じる。
 以上、図書館が自らの情報をどこまで市民の前に公開しているかを日野市立図書館を例に探ってみたが、今後、三多摩の図書館の現状も調査し、図書館自らの情報公開の問題をさらに掘り下げてみたいと考える。
 
 
 
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