?  図書館設置条例改正経過報告 ?
 
 
日野市立図書館の「図書館設置条例改定」問題について
 
代表 久保田正子
 
 2000年2月下旬、日野市立図書館の条例の一部改定が決まったことを知らされた。寝耳に水とはこういうことだろう。図書館職員、図書館協議会委員にも事前に話し合いがなされず、市民もまったく知らされなかった。私が事実を知ったのは、3月2日の日野市議会が開催される1週間前だった。教育委員会の審議も通り、議案書には改定されるべき文言がプリントされていた。日にちが無い。規定の手続きを踏んでいたのでは間に合わない。
 私は市議のひとりに電話して、この事実を知っているか打診した。聞かれた市議は知らなかった。そこで図書館に関する法的な部分での調査と資料を依頼した。そして共に動いてくれる女性を紹介したもらい、急遽二人だけで「日野の図書館を考える会」を立ち上げた。その上で、教育委員会に請願を提出し、再度審議のやりなおしを要求した。これは黙って改定されるのではなく、一言でも市民としての反対の意思表示を議
事録に残したいと思ったからだ。「不採択」は始めから覚悟したいた。(事実不採択、だが付記という文字が付け足された)。次に日野市長と直接会って、なぜこうなったのか話し合うことにした。3月1日午前10時30分、市長室で直接会って、なぜこうなったのか話し合いを持った。案の定、地方自治方の規制緩和に基づき、それぞれのセクションの見直しをした結果とのこと。地方財政の苦しいことを全面に出して理由を述べる。だが私はただ一つのことだけを言い続けた。「なぜ規制されていない図書館の条例を変えるのか」「図書館は行政の枝葉の一部ではないこと」「市民の知的要求に対するサービスを行なう図書館は、市民の共有財産であること」などを一つひとつ詰めていった。話し合いは40分ぐらいで終わった。同じ日の午後から、請願書を出した教育委員会で請願の趣旨文を10分間読み上げた。私は日野の図書館が作られた当時のに遡り、日野の図書館が日本の公共図書館に多大な影響を与えた役割を述べた。市長との話し合いで、何が改定を阻止できたのかはわからない。そこは行政の玉虫色の決着のつけ方になった。だが現実に私たちの戦いは、あいまいな部分は残っているにしても改定を食い止めた。私は、有山市長、前川恒雄館長の新しい時代の、開かれた図書館を目指した理念が、35年の歳月の中で風化し、職員も市民も安逸な流れに身を任せてきたことのツケが、今回行政から突き付けられたと思っている。今後も同じことが起きるだろう。そのためには職員も図書館の地域で果たすべき役割を再確認し、市民も受動的に図書館サービスを受けるのではなく、能動的に図書館に働き掛けをしていくことが必要だ。「日野の図書館を考える会」は、そのための情報収集、学習・交流の拠点として、これから新しい1歩を踏み出していくことになった。次に改定の内容の説明を書く。
 「設置条例」第5条第2項を改定し、司書の資格を持たなくても館長になれることとした。
『現行法』
 「図書館の館長は、図書館法第13条第3項に規定された館長の資格を有する者ではなければならない」
『改定案』
 「図書館の館長は、図書館機能を達成するため、館長として必要な学識経験を有する者とする」
『再改定案』
 「図書館の館長は、図書館機能を達成するため、図書館法に定める専門的職員のほか館長として必要な学識経験を有する者とする」
 
(『図書館問題研究会東京支部ニュース』2000年8月号より転載)
 
『三多摩図書館研究所Newsletter』から
 
☆2月10日の教育委員会定例会で図書館設置条例改正案が提案され承認されました。危惧していたとおり館長の有資格条項が削除された条文でした。
 
 「図書館の館長は、図書館機能を達成するため、館長として必要な学識経験を有する者とする。」
 
 この後3月議会にかけられる訳ですが、この改正案については図書館協議会に諮られることもなく(2月25日図書館協議会開催予定)、職員にも一切説明がなされぬままの教育委員会への提出でした(2月23日に全職員への説明会開催予定)。早速図書館内外で疑問の声が上がっています。(2/22)
 
☆3月議会に、館長の有資格条項を削除した図書館設置条例の改正案が上程されます。このことに疑問を抱く市民の有志による「日野市の図書館を考える学習会」が開催される予定です。(2/25)
 
☆2月28日に日野の図書館を考える会から「日野市図書館設置条例」改定に対する請願が提出され、3月1日の教育委員会定例会で審議されました。請願そのものは不採択となったものの委員からは図書館に有資格館長の必要性を理解するとの発言があり、その後何らかの動きがあった模様で、既に議会に提出されていた設置条例改正案が次のようになりました。(3/3)
 
 「図書館の館長は、図書館機能を達成するため、図書館法に定める専門的職員のほか館長として必要な学識経験を有する者とする」