【記録】ひののとしょかんを考える会通信 第2号

2001年3月26日発行  ▶PDF版第2号
もくじ

会員向けアンケートの結果報告 

移動図書館「ひまわり号」

今、三多摩の図書館では  
  
日野子どもの本まつり

「図書館の会」参加報告

講演会のお知らせ

活動報告
 

会員向けアンケートの結果報告

 日野の図書館を考える会では来年度向けての活動計画を立てるため、昨年11月に全会員を対象にアンケートを取りました。その結果をここに掲載しますが、各項目に対する各会員の回答は原文のまま載せてありますのであらかじめご了承ください。
 
 
1. 日頃、日野の図書館を利用していてお気づきの点をお書きください。
 
(1) 良い点
 
・基本的なサービスをしっかりやっている。
・冊数制限なく借りられること。
・どこの図書館でも借りたり返したりできること。
・分館が多いので、身近に図書館があること(徒歩や自転車ですぐいけること)
・近くにあること。
 
・児童に対しての読み聞かせの会は子どもにとてもよく聞くこと本を選ぶことなどを教えていただいている。
・絵本コーナーは子どもと一緒に読みやすいつくりになっている。
 
・調べものをする時、自分の能力以上のことを要求されるのでレファレンスにいらっしゃる職員の方に頼るのだが、パソコン等を利用し、理科系、文学とまあよく本の場所へ連れていって下さるので感謝している。
・主にレファレンス室を利用する者として手早い対処に感謝している。ただ自分で調べるとき蔵書が古いと思うことがある。
・レファレンス室大いに利用している。時間ばかりかかって手に負えない時、職員の方に調べていただき助かっている。
・市政図書室は市民運動の力の源です。
 
・パソコンで検索できること。
・リクエストにも親切にこたえていただけてありがたいが、できればもう少し日にちがかからなければと思う。
 
・職員の方々の応対が親切で気持ちがいい。
・職員の対応が親切であること。
 
・建物の雰囲気がよい(中央図書館)
・静かで良いと思う。
・明るい部屋でさがしやすい。
・ゆっくり本をえらび、読める雰囲気がある(中央図書館)
 
・ひまわり号に積んである本は少ないのですが、逆に読みたいものを選びやすい気がします。
 
(2) 悪い点
 
・ごく一部の(若い)職員の中には、お役所的な(冷たい)対応や言葉があると人づてにきいた。もしそうだとすれば、せっかく大多数の職員が一生懸命仕事をしているのにと思うのにそういった1人か2人のために図書館全体の印象が悪くなってしまうのはとても残念だ(若い職員の育成にも力を入れてほしい)
・長い間図書館とつきあってきた利用者として感じるのはこの頃は職員の顔が見えなくなってきている。正規職員以外のパートの人が多くなったのだろうか。相談しにくい、対応のぎこちなさを感じる。
・静かな落ちついた雰囲気は好きだが活気が乏しいように感じる。
 
・開館時間が短い。
 
・蔵書数が少なく、特定のものを求めていくと無い(ぶらっと読みものをさがしにいくとけっこうおもしろいものがあるのだが…)
・情報化のおくれ(webサービスなど)
・総じて調べもの、調査研究の点でたよりにならない。
・CDソフトの充実。
・高幡図書館は地名、人名辞書などが少ない。
・蔵書が少ない。古い。
・雑誌類などは特に時代遅れという感じで世界各国の雑誌も取り入れて欲しい。
・図書の背番号、配列がわかりにくい(特に920番台)
・パソコンで検索しても職員の方をわずらわせてしまう。
・全集・シリーズものでそろっていないことがある。
・旅行本が古い。
・分館の本は少なく感じる。
・椅子が少なくゆっくり読めない。
・レファレンス室が暗い。
・本棚に本が横積みになっていることがありとりたい本が思うように出すことができない。
     
(3) 疑問点
 
・知人が「職員の人数が減ったように思う」と言っていたが人員削減などがおこなわれているのだろうか。もしそうであれば、質の低下や現職員の負担増などの影響が心配だ。
・新しいことをはじめる、開拓していくというエネルギーや姿勢が感じられない
・「いいひとなんだけどものたりないね。なんでだろう」という感じ。
・日野市立図書館のモットーや視点をもっと市民にアピールしたら。おとなしすぎると思う(他の図書館の活動と比較して)
・趣味、生活雑誌の数が減ったように思えるのだが。
 
・レファレンス室のブースに囲いが必要でしょうか。オープンにして本当にプライバシーが必要な人には1人用の離れた席を設けるなど。今のブース数は多いのでは(空いた分蔵書が並ぶ)
 
・日曜日は開館しているが祭日は休みなのか。
 
2. 日野の図書館に対してどのようなことを望まれますか。
 
・さまざまな動きが図書館界を被っているが、公共図書館のあり方をリードしてきた日野市立図書館の基本姿勢は崩さないで欲しい。
・予算削減の嵐の中で大変だが資料代は削って欲しくない。
・図書館独自の行事を企画して欲しい(読書の楽しみ子どもの本の選び方)
・慣例の中で動いて来たものを変えていく意識を職員も市民と共にもったら?
・図書館の活動を積極的にアピールして、多くの人にその良さを知らせて欲しい(それが図書館を育て守っていくことにつがなると思う)
・館員の方たちがもっと公共のサービス業なのだということを認識して欲しいなあと思う。
・利用者に対して職員ができることをもっとPRして欲しい。
・おはなし会の回数を増やして欲しい(小規模でも良いので、回数が多いと良いと思う)
・年代(特に子ども)に合った本の紹介がわかるように目立つように並べては(展示)
・幼い子どもからお年寄りまで幅広い年齢の人が気持ちよく利用できるようにこれからもいっそうあたたか味のある図書館であって欲しい。
・もっともっと気軽に出入りできると良いと思う。
 
・できれば祝日も開館して欲しい。
・開館時間の延長(9時まで)祝日の開館。
・夜間も開いていることが望ましい。開いているとすれば宣伝して欲しい。
 
・旭が丘地域にも分館を作って欲しい。
・JR豊田駅がビルになってその中に図書館がある…なんてことには永久にならな いのでしょうか。
 
・高幡図書館2階のある部屋の有効利用を。
・図書館って子どもの頃から貸本屋さんのように利用していた。日野へ来てからも10年以上。しかも最近は持って帰っていいのかと思うような本も。図書館ってこういうものなのか。
・時間がある時図書館で読書をと思っても腰を落ちつかせる場所が少なく残念に思う。
・図書館内にゆっくりと読みながら借りる本を選べる場所があると良いと思う。先日職員さんに絵本の選び方についてお話を伺った。その時同じ本でも出版社によって内容が違うことを知り本はゆっくりと良い本をさがす時、受付ではなく相談ができるところがあると良いと思う。
・ベストセラーなどリクエストの数の多い本がもっと早く読むことができたらよい。
・職員に質問をした場合にわかりやすい説明をお願いしたい。
・古代史・地歴書の類の本を毎回借りて来て楽しんでいるが歴史大事典(県別)(すぐに調べたいものですから即、揃っている図書館へ飛んで行きコピーしてくる。)
5万分の1の地図>が揃っていたらありがたいと思う。
・中央図書館は蔵書が豊富で調べものにもとても便利だ。日野図書館はそれに比べ辞典類等が少なくて不便を感じる。
・市立図書館レファレンス室、いちいち届けなくても空いているのだったら座ってもよいのでは。
・情報の収集の場として読みたい本がいつでも借りられるように。
・蔵書をふやしてほしい。
 
3. 日野の図書館を考える会を通して今後どのような活動をしていきたいですか。具体的にお書きください。
 
・良い図書館にするためには財政問題になるので行政への働きかけも大事な活動と思う。
・「日野の図書館を考える会」の存在自体をもっと知ってもらうことが大切だと思う。
・図書館を一市民として応援していけたらと思う。
・図書館から情報を得ながら日野の文化や生活全般にわたることを学習したい。それによって図書館の存在の意義がわかると思う。企画を立てるのは大変だろうが。
・各年齢の市民が気軽に出入りする図書館が理想だと思うので新刊本などのPRを広報などに紹介したらいかがか(以前は掲載されていたように思うが)
・もっと身近に感じられるようになればと思う。具体的には良くわからない。
・家族の者は利用が多いが、私はまだまだ回数が少なく活動をするほと図書館のあり方など知らないことが多くある。まずはもっと学習することから始めたいと思う。
・市民が利用しやすい図書館にしていくためにはどんな改善が必要なのか考え、行動していきたい。
・近隣の図書館の良い点を学びに行きたい。全国の経験も聞きたい。
・新しい図書館が出来る時など、よりよいものを作るために案を出して提案する等。
・他の地域の図書館の見学。
・専門家等による勉強会。(財政面も含めて)
・特に市内の(市外も)多くの図書館職員と交流を深め密接な協力関係、意見交換ができると良い。(現在の図書館をよりよくしていくために)
 
4. 『ひののとしょかんを考える会通信』創刊号(2000年9月18日発行)をお読みになってのご感想をお書きください。
 
・日野の図書館の誕生のすばらしさを知りました。歴史ある生い立ちを大切にと思う。会の通信で「図書館とは」を知ることにより考える会の活動に参加できるのえはと思う。次回通信を楽しみにしたいと思う。
・本の数が多い=図書館としか考えていなかったので本当の意味での図書館の必要性が少しわかった。
・浦安図書館の充実ぶりにはびっくりした。
・多摩各市でも図書館について考えようとする会が持たれていることを再認識した。
・日野市以外の図書館を利用したことがなく浦安市図書館のレポートを読み考えさせられる。
・図書館を考える会の発足から現在の活動がとてもよくわかった。
・一杯つまった内容で創刊号としてはきれいにできた。ただこれから費用や活動の内容によって形式も変わってくると思う。お知らせや報告で終わるのではなく投稿もあったら良いと思う。
・会員はもちろん市民参加型の紙面になったらと願っているが夢だろうか。
・趣旨には大いに賛同し、張り切ったものの、活動報告を改めて読みそのエネルギーの持続に驚異を感じた。
・会員として何か出きるか自身に問いかけてみても知力も体力も欠けているものばかり…。考えていることを実行に移せる方たちに敬意を表する(ちょっと凡人には入り込めない世界のように感じてしまうのではないか)
・ページ数は少なくてもよいので、コンスタントに発行できると良いと思う。

シリーズとしょかんをもっとよくしろう №1 移動図書館「ひまわり号」

 日野の図書館と言えば「ひまわり号」、「ひまわり号」と言えば日野図書館と言われるほど、日本の公共図書館界にその名を馳せた、私たちの「ひまわり号」。それまでは、図書館と言えば建物の図書館を思い浮かべるのが常識だった1960年代半ば、1台のマイクロバス改造車に1,500冊程の本を載せ、市内全域への個人貸出をスタートしました。翌年、2台目のひまわり号が加わるとともに、当時としては破格な図書費が当てられ、着実に貸出実績を伸ばしていきます。その地道な活動は市民に暖かく迎えられ、図書館の必要性を確実なものにしていきました。
 日野図書館の草創期については、初代館長、前川恒雄氏の『移動図書館ひまわり号』(筑摩書房 1988年刊)に詳しく紹介されています。西洋と100年の開きがあると言われたわが国の公共図書館界に一石を投じ、その後の流れを大きく変えることとなった日野図書館の取り組みが綴られており、市民にとって図書館とは一体何なのかを考える上で非常に示唆にとんだ実践記録です。



 それから30有余年を経て、市内には分館や中央図書館が建設され、日野市の図書館網が形作さられつつある今日も、第10台目のひまわり号が市内29カ所を巡回しています。市内の全域サービスを支える役目ばかりでなく、その機動性を発揮して、保育園や幼稚園、病院や施設、学童クラブ等へも図書館サービスを繰り広げています。小さいけれど働き者のひまわり号は、日野の図書館の歴史を背負って今日も市内を走り回っています。
 ところで、一昨年発表された日野市の『行財政改革大綱』を見ると、ひまわり号の2001(平成13)年度末を目途とした廃止計画(その後の『実施計画』ではひまわり号の運行削減との文言になっている)が盛り込まれています。ひまわり号のサービスについてもう一度じっくり考えてみる必要があるようです。

今、三多摩の図書館ではー

 一昨年成立した地方分権一括法のあおりを受けて、これまで設置条例に図書館長の有資格条項が謳われていた保谷市・国立市・東久留米市・東村山市・日野市の5市の内、最終的に図書館長の有資格条項が何らかの形で残った自治体は次の3市となりました。地方分権の時代の到来などと囃されている中で、地方の文化を支える図書館に対するこのような対応は市民にとって本当にプラスになるのでしょうか。

 東村山市 
  図書館の館長は、図書館法第4条に規定する司書の資格を有する者とする。

 東久留米市
  図書館の館長は、法に規定された司書の資格を有する者又はその職務の経歴により館長の業務を行うのに十分な資質を有している者でなければならない。

 日野市
  図書館の館長は、図書館機能を達成するため、図書館法に定める専門的職員のほか館長として必要な学識経験を有する者とする。 

第8回 日野子どもの本まつりのご案内・・・

日時:5月26日(土) 13:00~16:30
場所:日野市生活・保健センター

内容:
○講演会「作品を語る-無名の人々にひかりをあてて…」(十三湖のばば・白神山地・「弥生の村」を探しつづけた男など)
 講師 鈴木喜代春先生(児童文学者・子どもの本研究会会長)
○展示(手作りの本、学校図書館、市内文庫など)
○おはなし会(語り、読み聞かせ) ○手作りコーナー
○ミニミニ図書館

主催:日野・子どもと本の出会いの会
問い合わせ先:*****加藤宅

多摩地区「図書館の会」参加報告

○9月21日 ルネ小平
 ・多摩地区の報告
 ・多摩市伊藤峻氏の送別会(石川県地方の図書館長として迎えられた)
 
○11月30日 ルネ小平
 多摩・小平・東大和・保谷・東村山・日野の各市で図書館や文庫活動をしている人たちと山口源治郎先生を囲んでの集まりがありました。今回は参加された地域での活動報告の資料や、文春に掲載された林望氏の「図書館は貸本屋」かという記事をもとに改めて図書館の在り方について話し合いました。また杉並の荻窪保健センターで行われたブックスタートパックの配布の状況や、各市での地道な取り組みの報告がありましたので抜粋しました。
保谷市:館長が代わって積極的にはなったが、全体としてはブックトーキングが主である。分館で幼児・小学生向けのおはなし会。田無との合併前に本の貸し出し袋を配った。
調布市:「図書館をよくする会」こどもの本を読み聞かせの会ができた。2ヶ月に1回、20人集まり反響があった。
東大和市:ブックトーク、文庫連の集まりがあった。学校の方から依頼があり、小学校へ読み聞かせにいっている。中学生の図書館1日職員体験。
東村山市:肥田美代子さんのお話。国際子ども読書年で読書基本法を作って政府は1億2600万円の予算をとる。読書振興法を作る動きもある。学校図書館制度化を目標。社会教育予算削減、第三セクターを作り市長部局に一本化してなんでも進めていこうとしている。
小平市:イギリスの絵本の展示。夏休みの終わりに3日間読み聞かせの会。文庫連。
多摩市:親子でおはなし会。お父さんを巻き込んで夜の時間にやった。25組募集したが盛況だった。永山図書館。学校図書館に新刊本のリストを配り、先生に働きかける。審議会に毎日傍聴していた。意見は文書で出した。箱物を作らなくてもネットワークでもできるという意見もある。
120パーセント情報公開をすると市長は言っている。中央図書館の件は継続審議。
山口先生:図書館協議会そのものが大問題を抱えている。組織が沈むかどうかだ。
 
○2月22日 ルネ小平
 各市の図書館協議会の実状報告
西東京市:合併したばかりで、3月31日までは、田無、保谷のやり方で動き、4月の新年度から西東京市の形が決まるので次回に報告する。休館日や時間延長などは2市の方式をすりあわせる。
八王子市:委員の交替だが、会長と館長の話し合いで決まるので、どういう人選かわからない。文庫連から新しい人を1名出した。公民館運営審議会からも出ている。
杉並区:学校の図書担当の教員が入った。前館長と元館長もいる。
小平市:学識経験者、障害者団体、図書館友の会、文庫、社会教育委員、小・中学校より。
調布市:10人体制だが現在欠員が3人で7名。館長の意向に沿った人選ではないか。
多摩市:現在、協議会の内容はよくわからない。ただ聞くところによると、定期的には開かれていないようだ。
日野市:10人体制。利用者5人・会社員・社会教育委員・学校長・図書館情報学教授・大学図書館職員各1名。年4回開催。(久保田記)

講演会「公共図書館の現在、そして近未来を考える」

講師 二村 健氏(明星大学教授・図書館情報学)
日時 4月22日(日曜日)
   13時15分~ 受付開始
   13時30分~15時 講演及び質疑応答
場所 日野市生活・保健センター301・302会議室
内容 日本の公共図書館が抱えている課題は? 
日野の図書館を含めた公共図書館のこれからの
新しい形をいっしょに考えてみませんか。
資料代 200円
【記録】ひののとしょかんを考える会通信 第2号

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