【記録】申し入れ書

私たちは2001年10月10日に立川市で行われた「都立多摩図書館があぶない!-協力貸し出しがあぶない職員集会」に集まった多摩地域市町村の図書館職員です。
 
 東京都立多摩図書館は図書館資料を求める三多摩の都民のために、市町村立図書館のバックアップ図書館として、大きな役割を果たしてきました。
 市町村で図書館活動が既に活発な地位に立脚し、協力貸出、協力レファレンスに重点を置いたその図書館像は、全国の都道府県立図書館においても先進的なプランであり、その意義は開館以来14年の活動のなかで実証されています。高度情報化社会を迎え、東京都民の活発な読書・情報利用のためにはますます必要な施設です。また今後、三多摩の市町村立図書館同士が、緊密で合理的な協力関係を形成していくためにも重要です。
 今回、都立図書館全体の見直し計画のなかで、多摩図書館の機能と役割が大きく変わることを伝え聞き、大変危機感を覚えてここに集まりました。私たちは、集会での議論を踏まえて、貴職が次のことを早急に実施してくださるよう、書面をもって申し入れるものです。
 
 1. 都立図書館の利用者は、東京都民であり、市町村の図書館なのですから、その機能や役割を決定的に変更する場合には、計画が決定される前に利用者に明らかにすべきです。東京都の財政問題が背景にあり、図書館費の削減や書庫スペースの有限性が緊急課題だとしても、利用者に計画の検討過程を明らかにし、合意形成をはかっていくのが必要な手順ではないでしょうか。
 
 2. どんな再編計画であれ、三多摩の地域分担館として、東京都民・市町村立図書館に対して大きな役割を果たしてきた都立多摩図書館の意義をふまえ、その機能を低下させないような計画を策定し、明示して下さい。
 
 3. この度、都立日比谷図書館の児童資料16万冊を一括して多摩図書館に移管し、その収納スペースを生み出すために、多摩図書館の一般図書・行政郷土資料等を今年度内に一括大量廃棄することが決定されたと伺っています。このことは、とうてい納得することができません。財政問題や書庫スペースの有限性を考慮しても、このプランはあまりにも合理性を欠き拙速であり、都立図書館の存在意義を損ない、これまで指示されてきた多摩図書館の方向性を自ら放棄するものです。
 何よりもまず、日比谷図書館の児童資料の移管と、それに伴う既存資料の廃棄という計画を速やかに再考してください。今年度中に実施するという決定を、取り消してください。
 
 以上のことを、強く求めます。

2001年10月10日
 
東京都教育長様
東京都立中央図書館長様
  同 日比谷図書館長様
  同 多摩図書館長様
 
「都立多摩図書館があぶない!-協力貸出があぶない 職員集会」実行委員会
   同  集会参加者一同
【記録】申し入れ書

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