日野図書館は、35年前、日本で初めて開架式の図書館を作り、今日の公共図書館の基礎を作った先駆的な図書館です。地域に根ざした公共図書館は、図書館を利用する市民にさまざまな知識を提供する場です。図書館への関わり方は人さまざまでしょう。読みたい本を借りられる、知りたい情報をいち早く提供してくれる、知的要求を満たすための調査をする、子どもと一緒に楽しく児童書を選ぶなどなど、図書館は市民に開かれた自由な空間なのです。利用する年代に関係なく、障害の有る無しに関係なく、身近に民主主義の基本である市民が主人公であることを学べる場所です。 だが、行政の中に組み込まれている図書館は、行政の方向性に左右される危うさを持っています。市民が望むものと、行政が進めるものとの食い違いもでてきます。そのときは、図書館の持っている意義と必要性を認識し、市民の声を行政に反映させていくことが大切だと思います。「日野の図書館を考える会」は、2000年3月、市が提案した図書館条例の改定に市民が異議の声をあげ、条例をもとに戻すことができました。この事実を踏まえて、今後も市民と図書館が共同して、市民にとっての図書館のあるべき姿を模索していこうと作られた会です。 図書館を愛する多くの市民のご参加をお待ちしております。(2001年3月版) |
移動図書館「ひまわり号」が日野市を巡回し始めてから35年たちます。日本で初めて開架式図書館が誕生したのです。また図書館設置条例の中に「館長は図書館司書の資格を有する者」という考え方を盛り込んだのも初めてです。日野市の図書館は、これからの図書館の進むべき道を示した新しい形として、あとから建てられた他地域の公共図書館のモデルになりました。職員の80%以上が司書の資格を持つことから、市民へのサービスも行き届き、障害を持った人たちに対しても肌理細かい情報サービスの提供を進めています。 しかし他地域から比べれば進んだモデル図書館でも、それを日常的に利用している日野市民にとっては当たり前のことでしょう。また図書館側も業務に忙殺され、市民との対話の場をつくれなかったのです。35年前の図書館設立当初は、どうしたら市民の中に入り込める図書館がつくれるか、職員も市民も必死で考えました。だが時代の流れや行政の仕組みの変化が、図書館に対する考え方を変化させ、図書館が地域の中で果たす役割はますます重くなるのに反して、35年の歳月は図書館設立時の理念を風化させてきました。 今度の図書館設置条例(館長の資格の変更)の一部改定の動きは、まさに市民と職員に突きつけられた図書館のあり方を問われる問題です。3月議会を前にして、私たちはわずかな日数の中で、改定をくい止めるため教育委員会に請願を出し、市長と話し合い、何とか合意できる内容(第5条2 図書館の館長は、図書館機能を達成するため、図書館法に定める専門的職員のほか館長として必要な学識経験を有する者とする。)を得ることができました。だがこれからが大事なのです。 図書館は文化です。文化は言うまでもなく、生活の中から生まれた知恵ですが、生活の中に深く入り込んでいるため、存在の価値を考えることが疎かになります。私たちは今回のことについて反省も含め、授業料として払ったエネルギーを無駄にしないためにも、多くの市民の参加を得て、図書館について考える場を持ちたいと思います。より多くの皆さまのご参加をお待ちしております。 (2000年6月版) |
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