都民の方々に何もお知らせしないまま、都立図書館が大きく変わろうとしています。それもなんと平成14年の4月から!もう数ヶ月後のことです。 14万冊をなぜ捨てるのですか? 現在、日比谷図書館で行っている児童・青少年サービスを来年度から多摩図書館で行うという方針が出されました。今年度中にその資料を運びこむためには、14万冊を廃棄しなければならないというのです。そしてその廃棄作業がもう始まろうとしています。 都立多摩図書館は子どものための図書館になるのですか? 都立多摩図書館に児童・青少年資料を移転させて、具体的にどのようなサービスが行われようとしているのか、まだはっきりしていません。決まっているのは資料を移すということだけです。児童・青少年サービスを掲げながら、個人貸出サービスをするかどうかもわかりません。充実した児童・青少年サービスを行っている市町村の図書館はたくさんあります。なぜ都立多摩図書館に都立日比谷図書館の資料を移さなければならないのでしょうか。 多摩図書館はどんな図書館になるのでしょうか? 新しい都立多摩図書館は、「児童・青少年・文学・多摩資料図書館」と位置づけられようとしています。くわしいことは明らかにされていませんが、おおまかには次のように言われています。 1. 今、5億円かけて耐震工事をしている都立日比谷図書館から児童・青少年資料を都立多摩図書館に移転する。 2. 都立中央図書館から文学の本の一部(小説類)を都立多摩図書館に移す。 3. 都立多摩図書館では多摩地域に関係する資料を集める。 つまり、これまでのように広いジャンルの本は持たなくなるのです。 文学書や多摩地域の資料が充実した図書館になるのですか? 残念ながらそういうわけではありません。都立多摩図書館で持つのは文学のうち小説やエッセイなどの単行本のみとされています。文学の研究所や個人全集などは都立中央図書館だけが持つことになります。多摩地域の資料についても、これからは多摩地域のものしか集めない、ということなのです。多摩地域のことを調べていて、東京都や23区の資料も必要になった場合はすべて都立中央図書館に頼らなければならなくなります。 これまでどおり、近くの図書館で都立図書館の本を借りること(協力貸出)はできるのですか? 「協力貸出」自体はなくなりません。ですがこれからは「都立図書館全体で原則として1冊しか購入しない」とされています。多摩地域、23区、都立図書館の直接来館者の3者が1冊の本を奪い合うことになるのです。また、これまでは都立多摩図書館の資料は都立多摩図書館で買っていましたが、これからは都立中央図書館で買うだけになるので、多摩地域の方々のもとへ資料が届くまで、これまでより時間がかかることは確実です。 なぜ都立図書館全体で1冊しか購入しないのですか? 大幅な資料費の削減と書庫容量の限界が近づいていることが大きな理由となっています。都立図書館の資料費はここ5年間で約48%削減され、平成14年度はさらに今年度より10%削減されようとしています。また、このままいくと都立図書館の書庫は、中央図書館は平成15年度、多摩図書館は平成18年度には一杯になってしまいます。これまで都立図書館は資料を永久保存する方針できましたが、永久保存の方針も撤回されてしまいました。東京都は書庫のための予算はつけないと言っています。また、資料を捨てないなら書庫が満杯になった時点で新刊購入の予算はつけない、とさえ言っているのです。 都立図書館をもっと充実させましょう! 連絡先:東京都職員労働組合教育庁支部三多摩分会 都立多摩図書館職場会 |
【記録】都立多摩図書館って変わっちゃうの?-3月までに14万冊廃棄-署名にご協力ください