【記録】多摩地域の図書館をむすび育てる会一同及び「都立図書館の協力貸出はどうなる?雑誌の協力貸出も縮小の方向に!」集会参加者一同から東京都立中央図書館長宛てに提出された要請書

平成15年11月17日

東京都立中央図書館長
   鮎 澤 光 治 殿                                         
                  多摩地域の図書館をむすび育てる会一同
「都立図書館の協力貸出はどうなる?雑誌の協力貸出も縮小の方向に!」集会参加者一同

     要 請 書

 「多摩地域の図書館をむすび育てる会」は多摩地域の市民、公共図書館員、図書館員OBなどによる会員組織です(代表は元保谷市図書館長黒子恒夫)。東京都立図書館の再編計画が実行に移され都立多摩図書館の機能が変質を始めた2002年秋に結成しました。「多摩地域の図書館が公共図書館を中心に連携協力し、市民が求める資料・情報を提供できるような仕組みを研究し、提案すること」「多摩地域の公共図書館の資料の共同保管・共同利用のシステムの実現」「市民と図書館員とのよりよいパートナーシップの確立」(当会の会則第2条より)を目的に、公開学習会やデポジット・ライブラリー(共同保存図書館)の基本構想作りに取り組んできました。
 2003年夏から秋にかけ東京都立図書館は、区市町村立図書館を通して都立図書館の資料を利用者に提供する「協力貸出」の新たな制限と、「協力貸出」の重要な要素である所蔵雑誌の一部除籍を突然始めました。サービスの縮小はそれ自体問題です。方針変更を連携する区市町村立図書館に対して直前に通告するばかりで、事前協議に欠けているのは大きな問題です。さらに、都立図書館ホームページなど利用者都民に直接説明することが出来て、利用者も直接アクセスが出来る手段を整備してきたにもかかわらず、直接周知しないのは大変疑問です。ホームページでは「方針の変更」自体は知らせず、従前どおり個々の資料の所蔵の有無や貸出が可か不可かを知らせているのみです。先日までの都立データが突然変わってしまったがどうしたのか、これは今どうして借りられないのか?と区市町村立図書館のカウンターで聞かれることになります。サービスの縮小とともに都立図書館の広報・説明責任のあり方が問われているのだと思います。
 私たちの会は多摩地域の公共図書館職員や利用者都民に呼びかけ、都立図書館が雑誌の一部の除籍を始めるという11月17日に立川市で緊急集会を開きました。都立図書館の協力貸出の変質によって多摩地域の公共図書館と利用者にどんな影響が出ているか、各市の事例を持ち寄り具体的に検証し合いました。どの市でも大変困っており、今後の展開には大きな不安を抱いています。さらに再編の進行で、平等であるべき都立図書館の資料の利用に、多摩地域の都民に格差が生じてしまうことに強い懸念を持っています。
 よって、「多摩地域の図書館をむすび育てる会」と集会参加者一同の名で、以下のことを要請いたします。

       記

 東京都民への図書館資料の提供水準の維持と充実を図るため、協力貸出について次のとおり要請します。今後は区市町村立図書館の資料提供業務に影響のある事項については、図書館長協議会などと事前に充分な協議、検討をするよう要請します。

1 東京都内の公立図書館への協力貸出、資料保存のあり方について、区市町村立図書館と継続的に協議する場を新たに設けること。

2 昭和25年以前刊行資料の一律的な協力貸出制限は取りやめ、劣化資料の扱いについては別途協議とすること。

3 逐次刊行物の安易な除籍はせず、保存タイトルと保存期間について区市町村立図書館と検討する場を設けること。都立多摩図書館の所蔵タイトルは、開館以来、市町村立図書館からの寄贈を積極的に受け入れ形成してきたコレクションでもあるので、都立中央図書館の所蔵状況にかかわらず今後もすべて協力貸出の対象とすること。

4 資料入手金額の高額を理由とする協力貸出制限は行わないこと。

5 新刊資料の協力貸出申し込みについては区市町村立図書館と検討する場を設けること。その結論が出るまでは、一方的な期間制限はなくすこと。

6 山本有三文庫の一律的な協力貸出制限は撤廃すること。
                                                                   以上
【記録】多摩地域の図書館をむすび育てる会一同及び「都立図書館の協力貸出はどうなる?雑誌の協力貸出も縮小の方向に!」集会参加者一同から東京都立中央図書館長宛てに提出された要請書

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