町田市立図書館協議会から東京都教育委員会委員長及び教育長並びに都立中央図書館長宛てに提出された「都立図書館改革の具体的方策に関する要望について」

                                    06町教生図第1318号
                                      2007年2月16日
東京都教育委員会委員長 木村 孟 様
東京都教育委員会教育長 中村 正彦 様
東京都立中央図書館長 松田 二郎 様
                                   町田市立図書館協議会
                                   委員長 水越 規容子
 
        都立図書館改革の具体的方策に関する要望について
 
 時下ますますご健勝のこととお喜び申しあげます。
 さて、昨年8月に「都立図書館改革の具体的方策」が示されましたが、その内容について当協議会にて検討した結果、下記のとおりこれまでの対応を変更しないことを要望いたします。
 
                  記

1. 協力貸出方針の見直しについて
 市民41万人をかぞえる町田市においては、約100万冊の蔵書を保有する市立図書館が身近な話題から専門的分野まで、趣味の読書から本格的な調査研究まで、あらゆる年齢層の市民の多様な関心に応え、資料提供に務めてまいりました。市民の関心の広がりや情報への要求は年々高まり、さらに2004年4月のインターネットによる蔵書検索及び予約の開始もあってリクエスト件数は飛躍的に伸びてきています。しかし市立図書館が保有する資料のみによって市民の多様な要望に十分に応えることはむずかしく、都立図書館からの資料の借用を必要とする件数は毎年6000件、また都内区市町村立図書館からの借用もほぼ同件数あり、合わせて年間1万冊余りを他から借り受けることによってかろうじて市民への資料提供に応じられているのが実情です。
 このように都立図書館から地理的に遠く離れた町田市においては、市民の求める図書や雑誌などの資料を提供するに都立図書館のバックアップは欠かすことのできない重要な体制となっております。ところが今回の協力貸出方針の見直し(区市町村立図書館内での閲覧にとどめる)は、これら多摩地域などの遠隔地に居住する都民の便宜をまったく無視したものであり、資料の必要な都民は自らの時間とお金を使って都立図書館まで足を運ぶしかないという、これまでのサービスから大きく後退するものであるといわざるをえません。
 町田市においては、閲覧スペースがまったくない地域図書館もあります。たとえ閲覧スペースがあったとしても、そこで読み通さなければならないというのは、利用者にずいぶん不便を強いることになります。読み終わるまで、何回も図書館に足を運ばせるということになるからです。資料を必要とする人がすべて容易に図書館へ足を運ぶことができるわけではなく、高齢者や体の不自由な人、あるいは長時間の滞在が難しい人などは利用を諦めざるを得なくなるという懸念もあります。
たとえ都立中央図書館から遠く離れて住んでいようとも、町田市民も都民としての同じ権利を有するものと考えます。まして他の道府県立図書館がこれまでどおりの貸出を行っていることを考え合わせれば、今回の都立図書館による協力貸出方針の見直しは、いわば都下に住む都民の切り捨てに繋がるもので、到底受入れ難いものであります。
 多摩地域の住民がこれまでと同様に、都立図書館資料を市立図書館を通じて借用し活用できるよう、「協力貸出方針の見直し」を撤回されることを切に要望いたします。

2. 費用負担・搬送方法の検討について
 これまでは都立図書館および市町村間での協力貸出図書資料については、東京都の搬送便を利用し、円滑に行われてきました。遠隔地に居住する都民へも等しくサービスを提供するためには従前どおりの搬送便の使用は不可欠と考えます。費用負担・搬送方法の見直しについては、ぜひ都民へのサービスを第一に考え、広域自治体の責任において従来どおりの搬送を要望いたします。
                                                          以上
 
なお、上記要望に対しましては、3月20日(火)までに文書にて、ご回答くださいますようお願い申し上げます。

町田市立図書館協議会から東京都教育委員会委員長及び教育長並びに都立中央図書館長宛てに提出された「都立図書館改革の具体的方策に関する要望について」

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