東公図職員研究大会にお集まりの、図書館職員の皆さん! 私たちは、東京都が進めている都立図書館の再編計画案に、強い疑念を抱いています。 すでにご承知と思いますが再編計画案は現在の都立図書館3館(中央・多摩・日比谷)によるサービス体制から、実質的に都立中央図書館1館によるサービス体制へ急激な大変更をしようとするものです。協力貸出や協力レファレンスといった、都内全域の区市町村図書館へのバックアップ機能は大幅に縮小され、収集・保存されるべき資料数も極端に押さえ込まれることになります。しかも日比谷図書館の児童関係資料16万冊をすべて多摩に移管し、その収蔵スペースを確保するために中央と重複する多摩図書館の一般資料・地域行政資料等を今年度中に大量廃棄するという。再編案が実施されれば、1200万都民への資料・情報サービスが、大きく後退することは間違いありません。 この計画案は、昨年4月に都庁内に設置された「都立図書館のあり方検討委員会」が、 都民や区市町村図書館に一切知らせることなく独断で策定し、早急に実施しようとしています。12月にと予告されていた「最終報告」はなぜか公表が遅れ、「最終報告」後なら出来ると言っていた説明もまだありません。しかし、その計画案に沿って多摩図書館の蔵書約14万冊の廃棄準備は進行しています。12月中旬から約10万冊はすでにHPで見られません。当局は廃棄でなく区市町村への払い下げ=再活用と言いますが、まとまって共同利用できるからこそ貴重なのです。14万冊は終わりではなく<終わりの始まり>であり、都立の蔵書が一点一冊になるまで数十万冊が廃棄されます。都立に新しい保存スペースはいらないでしょうか。いったいこれで、図書館に未来はあるでしょうか。 こうした状況を黙って見過ごすことはできません。2月に開催される東京都議会に向け、2団体で2万人に及ぶ署名を添え請願を提出しました。また、多摩地域では16の市町村議会で計画の見直しを求める請願・陳情等が次々に可決されています。市教育長会、町村教育長会、そして特別区教育長会からも、東京都教育長や都立図書館長に宛て慎重な対応を求め、協議を行えという「要望書」が出されています。 請願は2月19日午後の都議会文教委員会で審査され、20日からの定例会にかけられます。どうしても請願を採択させ、一方的な計画案の実施を阻止しなければなりません。 2月3日(日)に、この問題に関心ある都民利用者、図書館員、自治体行政関係者、 出版人がすべて集まれる大集会を開催することにしました。ぜひぜひ御参加ください! 21世紀の幕開けは、残念ながら不安と悲惨に満ちたものです。東京の図書館にとって今は平時(へいじ)ではないのです。いまこそ私たちはこれからの公共図書館のあり方を、都立――区市町村立図書館の関係を問おうではありませんか!それが研究大会の趣旨でしょう! |
【記録】東京都公立図書館職員研究集会向けビラ