【記録】都立多摩図書館の三多摩地域における意義を再確認し、その役割と機能の維持・発展を求める請願

2001年12月14日提出

東京都議会議長 
 三田 敏哉様
 
                   都立多摩図書館があぶない!住民と職員の集会実行委員会
                       代表  齋藤誠一  守谷信二
 
(紹介議員)
(小林正則<民主党>・新井美沙子<生活ネット>・大西由紀子<生活ネット>・東ひろたか<共産党>・清水ひで子<共産党>・曽根はじめ<共産党>・尾崎正一<民主党>・富田俊正<民主党>・河西のぶみ<民主党>・小磯善彦<公明党>・小磯明<自民党>)
 
(願 書)
①東京都は、都道府県立図書館の役割と存在意義の中心が、区市町村立図書館をバックアップすることにあることを再確認し、真に都民の図書館利用の利便性を維持・発展させることを目的とした都立図書館の再編計画を立案すること。
②計画の策定にあたっては、検討経過と計画の概要を事前に都民及び区市町村立図書館に明らかにし、その意向を十分に反映するようにすること。
③その間、都立多摩図書館の現在の役割と機能、資料収集の方針を変更しないこと。
④都立多摩図書館の資料(約14万冊)の処分を今年度中に実施するという決定を、白紙撤回すること。
 
(理 由)
(1)漏れ聞くところによると、この度都立図書館はこれまでの組織・機能を大幅に見直し、2002年度から都立中央図書館を中心館とする新たな体制に移行するとのことです。具体的には、
 ①都立多摩図書館を中央図書館の分館とし、これまで多摩図書館が独自に行ってきた、資料収集や市町村立図書館への協力貸出、協力レファレンスなどの業務を事実上廃止する。
 ②蔵書も、今後同じタイトルの本は都立図書館全体で一冊のみとする。
 ③都立多摩図書館へは、日比谷図書館の児童資料(16万冊)を移管する。
 ④その収蔵スペースを確保するため、これまで多摩図書館が蓄積してきた14万冊の本を今年度中に処分する。
 ⑤児童サービスを委譲した後の日比谷図書館については現状維持、といった内容です。

 これは、区市町村立図書館をバックアップするという都道府県立図書館の役割や存在意義を、都立自らが放棄するものであり、1200万都民の資料要求に応えられる図書館サービス体制を放棄するものです。
 高度情報化社会と呼ばれる現在、図書館は市民にもっと身近な情報拠点として、一層充実されてしかるべき存在です。諸外国の首都には、ごく当然のこととして誇るべき優れた図書館が整備されています。パリやニューヨークとならぶ世界有数の都市である東京には、それにふさわしい都立図書館が必要です。東京都の図書館が、時代のニーズを敏感に反映し、真に都民の利用に耐えるものとなるよう、心から願うものです。

(2)この度の再編計画は、都立図書館の利用者である都民、ならびに区市町村立図書課の意向を、十分に汲み上げたものとはとうてい言えません。検討の目的や経過について、都民・区市町村立図書館はもとより、都立図書館の職員にさえ、満足な説明はならされていないと聞きます。むしろ市町村側からの再三の求めに応じて、わずかに館長協議会等で形式的な答弁がなされただけです。これは、行政手法のあり方としても、きわめて大きな問題があるといわざるをえません。すみやかに、検討経過・計画の概要・将来展望等を明らかにし、都民・区市町村立図書館の意向を十分に反映するように努めるべきです。

(3)再編計画の背景に、東京都の財政問題があることは十分理解します。厳しい財政状況は、都に限らず区市町村も同様です。だからこそ今、都民・東京都・区市町村が智恵を出し合い、協力し合って問題解決に取り組む必要があります。十分な検討が必要です。その間、都立多摩図書館の役割・機能等はこれまでどおりにすべきです。
 まして、貴重な都民の財産である多摩図書館の14万冊の資料を、今年度中に処分するなどということが、内部だけの検討で行われてよいはずがありません。断固、再考を求めるものです。
【記録】都立多摩図書館の三多摩地域における意義を再確認し、その役割と機能の維持・発展を求める請願

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